オーム電機は、含有化学物質管理機能を備えたクラウド型PLMサービス「Obbligato for SaaS」を採用した。4月6日、Obbligatoを提供するNECネクサソリューションズが発表した。環境規制の強化に伴い年間約1200件にまで増加した顧客からの調査依頼に対し、迅速かつ的確な対応を可能にする。履歴管理によるトレーサビリティの向上や作業効率の改善を通じ、環境対応業務の大幅な省力化を目指す。
配線パーツや熱対策機器などの開発・販売を手掛けるオーム電機では、RoHS(Restriction of Hazardous Substances)指令やREACH(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals)規則といった環境規制への対応が急務となっていた。RoHS指令とREACH規則はいずれも、EUにおける有害な化学物質の使用を規制し、人の健康と環境を保護するための環境規制だ。
同社では、顧客からの含有化学物質に関する調査依頼は直近十数年で年間約170件から約1200件へと急増。専任人材やITリソースに限りがある中で、従来型システムの運用継続や増大する業務負荷への対応が課題となっていた。こうした背景から、実務に即した機能と運用の柔軟性を備えた同サービスの導入を決めた。
Obbligato for SaaSの導入により、製品・部品ごとの含有化学物質情報の履歴を一元管理できるようになった。過去の製品に関する問い合わせに対しても出荷時点の規制適合状況を即座に確認できるため、トレーサビリティが強化された。また、高度な検索機能により規制改定時の影響調査が迅速化されたほか、環境BOM(部品表)の整備によって同一材料を使用した部品の登録作業が従来の半日から約10分に短縮されるなど、効率向上を実現した。回答情報のアップロード時間も約30分から約5分に短縮され、自動判定機能によりヒューマンエラーの低減にもつながっている。
システム面では、ノンプログラミングで管理項目の変更が可能なため、非IT部門による主導的な運用が可能となった。クラウド活用によりサーバ構築・管理コストも低減されており、将来の規制強化や顧客要望の追加に対しても、少ない労力で迅速に対応できる体制を整えた。