東レ・ファインケミカルは、国内4工場における設備管理のデジタルトランスフォーメーションを目的に、ジャストシステムのノーコードクラウドデータベース「JUST.DB」を採用した。5月26日、ジャストシステムが発表した。オンプレミス環境からの移行により、事業継続計画(BCP)対応と業務効率の改善を進めている。
東レ・ファインケミカルは、医薬品や半導体製造に用いられるファインケミカル製品を供給しており、国内複数の工場で設備管理業務を行っている。従来はExcelを中心とした運用を続けていたが、同時編集ができないことやファイル管理の煩雑さ、更新作業の負担が課題となっていた。その後、2018年にオンプレミス型データベースを導入し、一定の改善を図ったものの、利用範囲の拡大に伴い、データの可視化や操作性の面で制約が顕在化していた。
こうした状況に加え、東レグループ全体で工場システムのクラウド化方針が示されたことを受け、同社は新たな基盤の検討を進めた。データ移行の確実性やセキュリティ、コストの観点から評価し、JUST.DBの採用を決定した。
移行対象は、設備点検や修理履歴、プロジェクト管理など多岐にわたり、約60種類のデータベース、約30万件のレコード、約25GBの添付ファイルを含む大規模なものであった。プロジェクトは現場部門が主体となって推進されたが、ノーコードによる開発環境とサポート体制を活用し、約1カ月で移行を完了した。利用者の混乱を避けるため、工場ごとに画面デザインを区別するなどの工夫も行っている。
現在は千葉、松山、守山、東海の4工場で、生産、品質保証、技術開発などの部門に所属する約300名が利用している。導入後は、添付ファイルを含めた全文検索機能により過去の技術情報を参照しやすくなり、ナレッジ共有の基盤としても機能している。また、従来は四半期単位で実施していた棚卸業務をリアルタイムで管理できるようになり、モバイル端末からの入力にも対応した。これにより、現場での状況把握や判断の迅速化につなげている。
今後は、グループ内および取引先との情報連携を進め、紙ベースの運用の削減を図る。また、モバイルインターフェースを活用した巡視点検の効率化や予備品管理の最適化など、設備管理領域におけるデジタル活用の拡大を進める方針である。