リコーは、現場主導の業務改善とプロセス変革を進める「プロセスDX」の実現に向け、WalkMeのデジタルアダプションプラットフォームを導入した。5月26日、WalkMeが発表した。2026年1月時点で、グループ内9システム、約3万5000人規模への展開を完了しており、システム改修を伴わずに業務プロセスの可視化と改善を進めている。
リコーは「"はたらく"に歓びを」という理念のもと、業務環境の高度化を進めている。DX本部では、単なるシステム導入や安定運用にとどまらず、利用定着と継続的な改善を通じて業務成果を創出するIT組織への転換を目指してきた。近年はSaaS型の基幹システム導入が増加する中で、システム本体を改修せずに業務プロセスへ適合させる手段として、デジタルアダプションの必要性が高まっていた。
こうした背景から、ユーザー操作の可視化やガイド提供を通じて利用を支援するWalkMeを採用した。導入にあたっては、現場が主体的に改善を進められる体制の構築を重視し、DX本部内にCenter of Excellence(CoE)を設置した。CoEはガバナンス設計、人材育成、展開支援を担い、現場と連携しながら活用を推進している。
展開では、導入手順や運用ルールを標準化した「導入の型」を整備し、ブラウザ拡張の配布やIdP連携などの基盤整備をあらかじめ実施した。あわせて、学習コンテンツの提供や技術相談窓口の設置、誤操作を防ぐガイド設計などを組み合わせ、現場が自律的に利用・改善できる環境を整えた。
導入効果としては、操作手順のガイド化により業務時間の短縮が確認されている。特定の業務では操作時間が半減したケースもある。また、従来外部委託していたマニュアル作成や問い合わせ対応の負担軽減にもつながっている。業務手順がシステム上に組み込まれることで、属人化の抑制や教育コストの低減も期待される。
リコーDX本部本部長兼ワークフロー革新センター所長の浅香孝司氏は、「WalkMeを早期に組み込むことで、利用者の操作性が向上するだけでなく、マニュアル作成や問い合わせ対応にかかるコストの削減にもつながる」と述べている。
今後は、新規システム導入時に初期段階からWalkMeを組み込み、「導入直後から使える状態」の実現を目指す。既存システムへの適用拡大も進め、全社的な業務プロセス改善の基盤として活用を広げていく。