群馬県富岡市は、自治体システム標準化の対象20業務のうち、住民基本台帳や税金、保険、福祉など14業務の基幹システムをオラクル(Oracle)の「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)を基盤とするガバメントクラウドに移行し、7月に運用を開始した。8月7日、日本オラクルが発表した。デジタル庁の「ガバメントクラウド早期移行団体検証事業」の採択を受けたもので、OCIを基盤としたガバメントクラウドに移行し、本番稼働した初めての事例。新規事業や法改正に伴うシステム変更に柔軟に対応できるようになるとしている。
今回の移行にあたり、富岡市は「ガバメントクラウド移行への支援」「高い安全性、可用性、拡張性」「コスト・パフォーマンス」を評価し、OCIを採用したという。日本オラクルのコンサルティングサービス部門が、人口規模やサービスレベルに合わせた設計と移行手順を提案した。
また、14業務の基幹システムには、前橋市に本拠を置くジーシーシー(GCC)が開発・提供しているパッケージシステムを採用しており、同製品では長年「Oracle Database」が使われている。クラウド基盤にOCIを選択することで、従来システムと同等のサービス提供を継続しつつ、パフォーマンス、セキュリティ、コスト面の要件を満たすことができたとしている。
富岡市は「職員が一丸となり、日本オラクルやGCCと連携することで計画通りシステムを本番稼働できた」と評価しつつ、今後について、「両者には、運用コストの低減に加え、高いセキュリティと安定したシステム環境の提供を期待している」とコメント。2025年度末までに、標準化対象の全20業務のうち18業務の標準化対応を完了する予定だ。