ソリトンシステムズは、エイトレッドのワークフローシステム「AgileWorks」を採用し、全社の申請・承認基盤を刷新した。8月19日、エイトレッドが発表した。部署や勘定科目、金額が複雑に組み合わさった最大150パターンの承認ルートを標準機能で可視化し、運用負荷を抑えながら東証プライム市場の上場企業として厳格な内部統制や監査要件をクリアした。
ITセキュリティ製品や映像伝送システムなどを開発・提供するソリトンシステムズは、2007年からパッケージ版のワークフロー製品「X-point」を利用し、社内の申請業務の電子化を進めてきた。しかし運用の拡大に伴い、一つの申請フォームに部署や勘定科目、金額の条件が重なり、最大150パターンもの分岐ルートが集約される複雑な構造となっていた。ルート修正時の検索や特定に手間がかかっていたほか、人事異動のたびに設定作業のためシステムを丸1日停止する必要があり、管理負担の軽減が課題となっていた。こうした中、旧製品のサポート終了を契機に後継システムの検討を開始した。
複数のツールを比較した結果、AgileWorksの採用を決めた。選定の決め手となったのは、フロー作成ツール「FlowEditor」による柔軟な承認ルートの設計機能だ。プログラミングによる追加開発を行わずに複雑な分岐ルートを視覚的に構築できる点や、申請者が承認者を勝手に選べない設計を徹底し、上場企業に求められる不正防止統制を標準機能で維持できる点を評価した。また、導入費用とメンテナンス性のバランスも採用を後押しした。
システム移行にあたっては、画面上部の基調色やフォームデザインを従来のX-pointから大きく変えない工夫を施した。これにより、利用者が戸惑うことなく移行でき、切り替え後の社内からの問い合わせはほとんど発生しなかった。さらに、自社開発の国産IDaaS「Soliton OneGate」とSAML連携させ、デジタル証明書を用いた多要素認証(MFA)とシングルサインオン(SSO)を適用。利用者の利便性を保ちながら認証セキュリティを強化した。
現在は最大約700名が利用し、年間1万2000件を超える社内申請をAgileWorksで処理している。FlowEditorでルート構造を一目で把握できるようになり、設定の見落とし防止など保守性が向上した。
ソリトンシステムズ情報システム部システム運用グループ部長の中村克久氏は、「視覚的に承認ルートが見えるため、複雑な職務規定やガバナンス要件もAgileWorksで確実に実現できる。旧システムからの切り替え後の問い合わせもほとんどなかった」と振り返る。
今後は、事前に異動設定を行える組織・部門の予約機能を活用し、人事異動時にもシステムを停止させない運用体制を整える。あわせて、レポーティング機能を使った決裁リードタイムの可視化や差し戻し傾向の分析を進め、業務プロセスのさらなる改善を図る。