東レエンジニアリングは、全社的な業務効率化と営業力強化を目的に、セールスフォース・ジャパンの営業支援システム「Salesforce」を採用した。7月14日、システム導入および定着化を支援したコアコンセプト・テクノロジーが発表した。部署ごとに個別最適化されていた営業情報を一元管理する共通情報基盤を構築し、意思決定の迅速化と収益構造の最適化を推進する。
東レエンジニアリングは、プラントエンジニアリングや各種製造装置、ファクトリーオートメーションなどの開発・設計・製造を手がける総合エンジニアリング企業である。同社では従来、事業部ごとに営業や顧客、案件などの情報が分断されており、全社的な営業状況や受注見込みをリアルタイムで把握できない課題を抱えていた。また、営業活動に関する情報が個人に属していたことで、顧客への対応履歴や進捗が共有されず、業務の属人化や効率低下を招いていた。
こうした背景から、同社は2018年に全社プロジェクトを発足。Salesforceを営業・顧客・案件情報を集約する基幹フロントとして位置づけ、全社共通で参照できる情報基盤の整備を決めた。導入にあたっては、言われた仕様通りに開発するだけでなく最適な方法を自発的に提案する姿勢を評価し、開発パートナーとしてコアコンセプト・テクノロジーを選定した。
プロジェクトでは、まず1つの事業部で営業プロセスを整理して「成果につながる勝ちパターン」を可視化し、システムに落とし込んだうえで他事業部や関係会社へ段階的に横展開するアプローチをとった。さらに、SalesforceとERP(統合基幹業務システム)である「SAP」を連携させ、顧客情報に加えて商談や受注、施工指図などのデータを一元化。部門横断で情報を活用できる環境を整えた。
システム導入にあたり、当初は現場で「先が見えない」といった戸惑いや反対の声もあったが、コアコンセプト・テクノロジーによる迅速なシステム構築により、具体的な動作画面を現場に見せることで理解と活用を促進した。また、一般的な計画・実行・評価・改善のPDCAサイクルではなく、観察・状況判断・決定・実行の「OODAループ」を採用したことで、状況に合わせた柔軟な方針転換とスピード感を持った機能実装を実現した。
同システムの導入により、経験や勘に依存していた営業活動からデータに基づく戦略的な営業活動へと転換した。その結果、営業案件の数は1.5倍に増加した。さらに、複数システムへの個別入力が不要になったことで、受注登録にかかる時間は1件あたり20分から3分へと85%短縮された。これらの取り組みを含む業務改革全体の成果として、工数換算で年間約25万5000時間に相当する削減効果を達成し、損益分岐点を最大17%低減するなど収益構造の最適化につなげている。
今後は、間接部門などへSalesforceの活用範囲を拡大し、さらなる生産性向上を目指す方針だ。また、蓄積されたデータを活用し、AIによる分析ツールとの連携や新たな分析アプローチも計画している。
ニュースリリース
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