九州を中心にラーメン店を展開するヤマナミ麺芸社は、スタディストが提供するAIマニュアル「Teachme Biz」を活用し、人材育成と評価を連動させた仕組みを構築した。8月24日、スタディストが発表した。教育時間を年間で約1800時間削減し、創出したコストをスタッフの時給引き上げに充てている。
ヤマナミ麺芸社は九州の麺産業に特化した食品メーカーで、8業態32店舗を運営するフード事業や製麺卸事業を展開している。同社では従来から紙のマニュアルを運用していたものの、更新状況が把握しづらく現場で十分に活用されていなかった。そのため指導内容や作業にばらつきが生じ、業務の属人化や担当者の退職に伴うオペレーションへの影響が課題となっていた。こうした状況を改善して業務を標準化するため、2019年にTeachme Bizを採用した。
同社は1店舗でのスモールスタートを経て全社へ展開を進め、現在では3330本以上のマニュアルを管理している。業務の標準化が進んだ一方で、教育の順序や評価基準が不明確であり、店長の主観による評価に偏りやすいという新たな課題が浮上した。そこで同社はマニュアルを「ホールA」「キッチンB」といったポジション別や時間帯別に分類し、Teachme Bizのトレーニングコース機能を用いて時系列で学べる育成カリキュラムを設計した。
さらに、学習後の習得状況を客観的に可視化する仕組みも整備した。スタッフはマニュアル学習と実務を経た後、Googleフォームを活用した確認テストを受ける。キッチン部門では知識テストに加え、店舗責任者が実技を判定する「チャーハン検定」を導入した。テストや検定の合格をスキル認定の基準とし、客観的なデータに基づいて時給アップへ連動させる評価制度を確立した。
一連の取り組みにより、教育担当者の判断工数が減少し、早期戦力化が進んだことで、OJTなどの教育時間を全店で年間約1800時間削減した。コスト換算で約200万円相当の削減効果を見込んでおり、創出した原資を追加費用なしでスタッフの時給アップへ充当した。また、作業スキルと接客スキルの双方を公平に評価できるようになったことで、スタッフの学習意欲や評価に対する納得感が高まり、定着率の改善にもつながっている。
今後は、早期戦力化にとどまらずスタッフのキャリア形成支援にもTeachme Bizを活用していく。多様なスキルの習得を通じて従業員の市場価値を高め、成長と評価、報酬、定着の循環を強化する。
ヤマナミ麺芸社代表取締役の吉岩拓弥氏は、「マニュアルを作ること自体が目的ではない。成果を生み、その成果をスタッフの収入アップや人事評価につなげていくことが重要だ。Teachme Bizの活用によって、成長、評価、報酬、定着という循環を実現できている」と述べている。