愛媛県は、次期ネットワーク基盤を構築し、三層分離モデルを従来のα'モデルからインターネット接続系を中心とするβ'モデルに移行する。ゼロトラストセキュリティを全面採用し、Cato NetworksのSASEソリューション「Cato SASE Platform」などを組み込む。8月6日、構築を支援するネットワンシステムズとSCSKセキュリティが発表した。クラウドの活用を拡大して職員の業務効率を高めるとともに、災害時の業務継続性を強化する。新基盤は2027年1月に稼働を開始する予定だ。
同県はこれまで、三層分離のα'モデルを先行採用しており、堅牢なセキュリティを維持しながら、ローカルブレイクアウトで特定のクラウドサービスを利用できる環境を整えていた。しかし、今後のさらなるクラウド利用拡大を見据え、インターネット接続系中心のβ'モデルへの移行を決断した。
新しい環境では、職員の利便性向上とセキュリティ強化を両立させるため、Cato SASE Platformを活用する。自宅や外出先のインターネット回線から庁内システムやクラウドへ安全に接続できるようにし、既存の閉域SIMの契約満了後はインターネットからの接続に切り替える。また、高度なセキュリティ対策としてEPPやEDRを新規導入、追加拡張する。システム上のログやアラートを統合し、常時監視から対処までを担う専用のSOCも設置して、サイバー攻撃へ速やかに対応できる体制を整える。
新モデルでの愛媛県独自の取り組みとして、ハミングヘッズのPC内論理分離ソリューション「セキュリティプラットフォーム」も採用した。従来、職員はマイナンバー利用事務系、LGWAN接続系、インターネット接続系の3層の業務ごとに物理PCや仮想デスクトップを複数台使い分けており、操作や運用が煩雑だった。セキュリティプラットフォームの導入により、ネットワーク分離を意識せず、1台の物理PCで3層ごとの接続先やデータを完全に分離してセキュリティを担保できるという。職員の利便性向上とともに、PC台数の削減や仮想デスクトップの廃止によるコスト削減を見込んでいる。
愛媛県企画振興部デジタル戦略局スマート行政推進課は「従来の三層分離によるセキュリティを維持しつつ、インターネットやクラウドの利用拡大、将来的な端末1台化への対応などを検討してきた。両社の高度な技術力に大いに期待している」とコメントしている。