太陽石油、人事データ活用でキャリア自律を支援 1on1の定着と人的資本開示を効率化

2025年12月4日14:10|ニュースCaseHUB.News編集部
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 太陽石油は、従業員のキャリア形成支援や適材適所の人材配置を強化することを目的に、Works Human Intelligence(WHI)のタレントマネジメントシステム「COMPANY Talent Management」シリーズ(以下、CTM2.0)を採用した。12月3日、WHI Holdingsが発表した。上司と部下の定期的な対話である1on1ミーティングの運用をシステム化して定着を図るほか、既存の人事データ基盤と連携して人的資本データの分析を効率化し、客観的なデータに基づく人材戦略を推進する。

 太陽石油は、原油の輸入から石油製品・化学製品の製造・販売までを一貫して手がける総合エネルギー企業。人事戦略として「従業員を成長の主体とするサステナブルな成長体制の構築」を掲げ、従業員の意欲向上や多様な人材の育成に取り組んでいる。同社では2013年からWHIの統合人事システム「COMPANY」を利用しており、勤怠管理や給与計算、人事評価などの基盤を統一することで、業務効率化とデータ集約を進めてきた。

 今回、従業員のキャリア支援をさらに強化し、能力と成果に応じた配置・処遇を実現するため、新たなシステムとしてCTM2.0の採用を決めた。選定にあたっては、既存のCOMPANYの人事管理製品とスムーズに連携でき、最新のデータを最小限の手間で活用できる点を評価した。また、現場の従業員が直感的に操作できるユーザーインターフェースや、活用・定着までを支援する伴走型のサポート体制も決め手となった。

 新システムの導入により、注力テーマである1on1ミーティングの仕組み化を推進する。CTM2.0の1on1機能では、実施計画の策定や面談内容の記録、振り返りの登録などが可能だ。従業員の健康状態やコンディションを記録できるほか、事前に登録したトークテーマに沿って面談を進めることで、対話の質を高める。さらに分析レポート機能を活用して実施率や話題の傾向、面談満足度などを可視化し、組織課題の早期発見につなげる考えだ。

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1on1ミーティングの分析レポートのイメージ

 業務効率化の面でも効果を見込んでいる。従来、人的資本データの算出や評価資料、異動案の作成などは手作業で行っており、人事部門の負担となっていた。CTM2.0のダッシュボード機能を活用することで、主要指標の集計や可視化が自動化され、データ加工にかかる工数を削減できる。また、COMPANYに蓄積された経歴やスキル、研修履歴などのデータをCTM2.0へ自動連携することで、二重入力の手間をなくし、常に最新のデータを活用できる環境を整える。

 これにより、人事部門は感覚や経験だけでなく、客観的なデータに基づいて異動や育成を検討できるようになる。従業員自身も自分の情報を確認し、自律的なキャリア形成を考えるきっかけにできる。

 太陽石油人財部は、「これまでもCOMPANYを活用して業務効率化とデータ一元化を進めてきたが、CTM2.0の採用でキャリア支援をさらに強化できる。1on1の仕組み強化により、多様な人材が自律的にキャリアを形成できる環境が整うほか、データに基づく客観的な人事施策の立案が可能になる。今後もサポートを活用し、サステナブルな成長体制を構築していきたい」としている。

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