愛知県田原市など21自治体が、富士フイルムシステムサービスの「法人請求オンラインサービス」トライアル版を10月30日に導入する。7日、富士フイルムシステムサービスが発表した。金融機関などが自治体に対して住民票の写しを請求する際のやり取りをデジタル化する。請求側、自治体双方の業務を効率化する狙いだ。
従来、クレジットカード会社や保険会社が債権回収や契約情報の確認といった業務の一環で自治体に住民票の写しを請求する場合、請求用書類を郵送し、自治体ごとに異なる手続きに対応していたという。書類作成、印刷、封入、投函、定額小為替の購入などの手間と費用が発生し、自治体側でも書類の開封、管理、定額小為替の処理などの業務負荷が大きかった。
法人請求オンラインサービスは、これらの請求プロセスをオンラインで完結させる。請求側は書類作成や郵送費用が不要になり、従来比で工程数を半減できるという。自治体側も書類管理や定額小為替の処理作業を削減でき、約4割の業務時間短縮効果を見込む。
富士フイルムフイルムシステムサービスは2022年11月、10自治体、金融機関など7社が参加するワーキンググループを立ち上げ、法人から自治体への住民票の写しの請求をデジタル化するサービスの検討を進めた。その成果を基にトライアル版を開発し、ワーキンググループ参加自治体である東京都東村山市、東京都町田市、佐賀県佐賀市、千葉県木更津市と2社の債権回収会社が既に利用しているという。今回の21自治体の導入により、トライアル版の利用自治体は合計25自治体になる。
同社は2025年度に法人請求オンラインサービスの事業化を予定しており、将来的には国内の自治体の約8割にあたる1400自治体への導入を目指すとしている。
今回トライアル版を導入する21自治体は以下のとおり。愛知県田原市、茨城県つくば市、茨城県日立市、愛媛県大洲市、愛媛県松山市、大阪府泉佐野市、大阪府茨木市、大阪府河内長野市、大阪府羽曳野市、沖縄県石垣市、沖縄県沖縄市、沖縄県豊見城市、高知県香南市、佐賀県玄海町、滋賀県高島市、静岡県掛川市、千葉県旭市、兵庫県播磨町、兵庫県姫路市、福井県勝山市、宮城県角田市