山形銀行、「COMPANY Talent Management」で人材ポートフォリを最適化

2025年8月1日16:30|ニュースCaseHUB.News編集部
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 山形銀行は、人的資本経営の実践に向けた人材ポートフォリオ最適化を目的に、サイダスの「COMPANY Talent Management」シリーズを採用した。8月1日、「COMPANY Talent Management」を提供するサイダスが発表した。同行員のスキルやキャリア志向などを一元的に可視化し、戦略的な人材配置や育成に活用する。これにより、人的資本経営の高度化を目指す。

 山形銀行は、2024年度から始まった第21次長期経営計画で「人的資本経営の実践」を掲げ、人材ポートフォリオの最適化とプロフェッショナル人材の育成を重点戦略と位置付けている。しかし、従来の人事基幹システムでは情報を保有していても可視化する仕組みが不足しており、人材ポートフォリオやプロフェッショナル人材の状況を的確に把握することが困難だった。そこで、行員の基本情報、スキル、能力、キャリア志向などを一元管理し、業務効率化とデータ活用を両立できるタレントマネジメントシステムの導入検討を開始した。

 システム選定にあたり、柔軟性とサポート体制を重視した。同行の運用に合わせて項目を自由に設計・変更できる柔軟性に加え、既存のデータを加工して取り込む支援体制がある点を評価した。また、サイダスがシステム選定段階から、同行が目指す姿の整理やロードマップ策定を共同で行うなど、単なるシステム提供にとどまらない伴走型のサポート体制も決め手となった。同行の担当者は「経営層から『導入して終わりでは意味がない。継続的に活用できることが重要』と強く言われていた。その点でも最も"使うイメージ"が持てた製品だった」と話している。

 山形銀行では、2025年4月から人事部門での先行運用を開始し、創立130周年を迎える2026年4月から全行での本格稼働を予定している。今後は、異動や配置を視覚的に検討できる「シミュレーション」機能の活用を見込む。同行の人事異動業務はこれまで表計算ツールと紙資料に依存し、多くの時間と労力を要していた。新機能では、候補者の検索から異動案の作成までをドラッグ&ドロップで完結できるほか、定員数やスキルバランスも可視化されるため、より戦略的な人材配置が可能になると期待している。

 また、プロフェッショナル人材の育成に向けては、「プロフェッショナルCDP」機能を活用する。これまで行員の強みや弱みを把握はできていたものの、具体的な能力開発は本人や上司に委ねられがちだった。同機能により、行員一人ひとりに最適化された学習内容を提示し、自発的なスキルアップを促すことが可能となる。同行は、一人ひとりの能力開発に寄り添うことで、組織全体の専門性と価値を高めていきたい考えだ。

 同行人事部の鈴木氏は、「お客様の課題は多様化し、銀行業務もより高度化している。採用環境が厳しい今だからこそ、既存の人材の強みや特性を深く理解し、育成や最適配置を通じて人材ポートフォリオの最適化を図り、限られたリソースでの生産性向上を目指している」と語っている。

ニュースリリース