ANA、生成AIプラットフォーム導入で規程・マニュアル検索時間を9割短縮

2025年10月22日10:45|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 全日本空輸(ANA)は、neoAIが開発した生成AIプラットフォーム「neoAI Chat」を航空機オペレーション部門へ横断的に本格導入した。2025年10月16日、ANAとneoAIが発表した。この導入により、規程やマニュアルの検索時間を従来比で約90%短縮できる見込みで、社員は必要な情報へ迅速にアクセスでき、安全運航の維持とお客様へのスムーズなご案内や問題解決能力の向上につながると期待される。また、報告書や教育資料などの作成時間を約75%削減し、社員が付加価値の高い業務に集中できる時間を創出する方針だ。

 ANAの航空機オペレーションの現場では、業務の複雑化に伴い、膨大な規程の中から迅速かつ正確に情報を引き出す必要があり、従来の情報検索は個人の経験値に依存し、時間を要することが課題だった。

 この課題解決のため、空港、整備、客室、運航など航空機オペレーションに関わる各社・各部門へ、業務特化型生成AIを展開することを決めた。2024年8月より成田空港でneoAI Chatの試験導入を実施。これにより、航空機オペレーション業務の省力化と的確な判断を支援する有効性が認められ、本格導入に至った。

 neoAI Chatは、ANAが管理する安全な自社クラウド基盤上で運用され、機密情報を保護しながら最先端の生成AIを活用できるプラットフォームだ。社内の膨大な文書をAIが横断的に解析し、社員は対話形式で、根拠となる文書と共に必要な情報を瞬時に引き出すことが可能になる。

20251016_ANA.png
ANAの航空機オペレーション現場におけるneoAI Chatの利用イメージ

 ANAは、今後もAIの力を最大限に活用し、社員一人ひとりの専門性と創造性を高める考えだ。これにより安全を守り続け、常にお客様視点に立った最高のサービスと価値を生み出すことを追求していくとしている。

ニュースリリース