京葉銀行は、サービス品質向上と顧客接点の最適化、業務プロセスの効率化を目的に、コンタクトセンタープラットフォームを刷新し、ジェネシスが提供する「Genesys Cloud」を採用した。10月21日、同システムの導入を支援した都築電気が発表した。同行のコンタクトセンター刷新は25年ぶりで、導入サービスには地方銀行として日本初となる生成AIベースのオペレーター支援サービス「Agent Copilot」も含まれる。最新のAI技術を活用することで、顧客一人ひとりに満足してもらえる持続可能なサービス提供を目指す。
千葉県を中心に金融サービスを提供する京葉銀行にとって、顧客の声を直接受け取るコンタクトセンターは極めて重要なものだ。同行は「お客さま第一」の姿勢を重視しており、新中期経営計画の柱である「オムニチャネル戦略」の実現に向け、コンタクトセンターの刷新を決断した。
新システムとして導入されたGenesys Cloudは、AIを搭載したエクスペリエンス・オーケストレーション・プラットフォームで、充実した機能と高い信頼性から多数の導入実績を持つクラウド型コンタクトセンターサービスだ。高い拡張性を備えており、ビジネス要件に応じた成長・適応が可能で、継続的なイノベーションにより常に最新の機能を利用できる。
特に、地方銀行で日本初導入となる生成AIオペレーター支援サービスAgent Copilotは、通話内容のリアルタイムテキスト化と推奨回答の提示、自動要約によるACW(平均後処理時間)の削減を実現する。また、相談内容のグルーピングで分類案をAIが自動提示することで、社内ナレッジ蓄積の精度向上に寄与するほか、直感的な操作で定型作業を自動化し、対応品質を向上する。
プロジェクトでは、都築電気はジェネシスと連携して価値創出に取り組み、京葉銀行へのヒアリングに加え、他の地方銀行とのコミュニティ形成を通じて課題を明確化した。これにより、コンタクトセンターのあるべき姿や業務改善の方向性を反映した実効性ある提案に繋げた。
京葉銀行 執行役員 デジタルビジネス推進部長の城戸健一氏は、今回の最新AI技術を搭載したシステム導入について、「応対品質を抜本的に向上させ、顧客一人ひとりに満足いただける持続可能なサービスを提供していく」と話している。
今後は、都築電気が次フェーズとして新たな顧客接点(アプリ、チャット、SMS)の接続やCRMとの連携といった拡張機能を提案する。京葉銀行は、都築電気と連携し、既存サービスの改善や新たな価値創造に繋げることで、顧客満足度の最大化を目指す。