ちゅうぎんFG、Salesforce採用で営業プロセス標準化 生成AIで提案力底上げ

2025年12月4日14:15|ニュースCaseHUB.News編集部
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 ちゅうぎんフィナンシャルグループ(ちゅうぎんFG)は、地域金融機関としての新たな営業モデル確立に向け、Salesforceの金融サービス業界向けCRM「Agentforce Financial Services」を採用した。12月4日、Salesforceが発表した。属人的な営業手法からの脱却を図り、2027年1月の稼働開始を目指す。顧客データを一元化するとともに生成AIを活用し、提案力の強化や業務効率化につなげたい考えだ。

 ちゅうぎんFGは現在、中期経営計画「未来共創プラン ステージⅢ」を掲げ、地域社会や顧客と相互に発展するビジネスモデルの実現を目指している。しかし、顧客ニーズが多様化・複雑化する中、従来の属人的な営業手法では対応が難しくなっており、組織的な営業力の底上げが喫緊の課題となっていた。特に、高品質なコンサルティングサービスを一貫して提供するためには、顧客情報の一元管理と、データに基づいた戦略的な提案基盤の整備が必要とされていた。

 こうした課題を解決するため、金融業界に特化したデータモデルを持ち、顧客接点のデータを統合管理できるAgentforce Financial Servicesの採用を決めた。営業担当者が顧客の全体像を深く理解し、適切なソリューションをタイムリーに提供できる環境が構築できる点を評価した。導入にあたっては、Salesforceの専門的なアドバイザリーサービス「Salesforce Professional Services」の支援も受け、戦略策定を進めた。

 新システムは主に営業部門で導入される計画だ。顧客情報の一元管理に加え、商談や活動履歴を体系化し、次に取り組むべきアクションをシステムが推奨する機能を活用することで、営業プロセスの可視化と効率化を図る。また、生成AI機能により顧客理解の高度化や情報収集の効率化を実現し、創出した時間を顧客対応や戦略的な提案活動に充てる。

 導入効果として、グループ全体での情報共有による連携強化も見込む。各社が共通の顧客データベースを活用することで、顧客ニーズへの迅速かつ総合的な対応が可能になる。また、システム面では、定期的なバージョンアップにより常に最新機能を利用できるほか、ノーコード・ローコードツールを活用することで、外部環境の変化に合わせた迅速な機能追加や改修が可能になり、開発コストの削減にもつながると期待している。

 ちゅうぎんFG取締役社長の加藤貞則氏は、「地域社会や顧客のニーズが多様化する中、持続的に最適なソリューションを提供するためには、営業体制のさらなる強化が不可欠だと考えている。新システムの導入により、体系化された営業ノウハウの実践やデータに基づく深い顧客理解が進めば、従業員の営業力強化だけでなく、グループ各社間の情報連携も高度化される。これまで以上にグループ一体となって顧客の課題に迅速に応えられるようになるだろう」と話している。

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