三菱UFJ銀行、SalesforceのAIで営業支援を高度化 提案品質の向上へ

2025年8月1日16:27|ニュースCaseHUB.News編集部
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 三菱UFJ銀行は、営業力の強化と顧客体験の向上を目的に、Salesforceの金融業界向け自律型AIエージェント「Agentforce for Financial Services」を採用した。8月1日、Agentforce for Financial Servicesを提供するセールスフォース・ジャパンが発表した。本件は日本で初めての採用事例となる。データの有効活用による提案品質の向上や業務効率の改善を図り、より付加価値の高い顧客体験の提供を目指す。

 三菱UFJ銀行は2025年4月、顧客データの一元化による営業力強化と顧客体験向上を目的に、新しいCRM(顧客関係管理)システムとしてSalesforceの「Financial Services Cloud(FSC)」を導入している。今回のAIエージェント採用は、この取り組みをさらに加速させるためのものだ。

 Agentforce for Financial Servicesの選定にあたっては、FSCにネイティブに統合されており、過去の営業履歴や顧客データを活用して即時に金融業界特化のAIエージェントを利用できる即応性と親和性の高さを評価した。

 導入により、データの有効活用を通じた提案品質の向上や、業務効率の飛躍的な改善が期待される。同行では、面談前の顧客インサイト提示、面談中のフォロー、面談後の営業担当者向けフォローアップなど、営業担当者とAIエージェントが協働することによる業務の高度化を検討している。

 FSC導入当初から同行は、Salesforceのプロフェッショナルサービスを活用し、アジャイル運営の促進やAI活用のユースケース拡大を推進してきた。これにより、膨大なデータに基づく付加価値の創出や業務生産性の向上、行員の新たな働き方の定着を支援している。

 今後は、Agentforceの適用範囲を段階的に拡大し、FSC上で実行する業務領域の拡充を進めていく方針だ。これにより、顧客理解を深め、より良い顧客体験の提供を目指す。

 三菱UFJ銀行 法人・ウェルスマネジメント企画部 システム企画グループ 上席調査役の武井優氏は、「本年度より、FSCの導入によって、営業現場で必要な顧客情報に瞬時にアクセスできる体制を整備し、業務品質の向上に務めてきた。今回、Agentforce for Financial Servicesを導入することで、さらに一歩進んだ『営業支援』『顧客体験』の局面に入ると期待している。今後、行内での活用範囲を段階的に拡大し、現場の営業力強化と顧客満足度のさらなる向上を目指していく」と述べている。

ニュースリリース