順天堂大学(学校法人順天堂)は、学内の申請業務をデジタル化するため、エイトレッドのワークフローシステム「AgileWorks」を採用した。12月1日、エイトレッドが発表した。導入により契約に関する承認期間を大幅に短縮し、年間約2000万円のコスト削減効果を見込んでいる。データ連携による業務自動化も推進する考えだ。
順天堂大学は9学部、大学院6研究科、医学部附属6病院を擁する「健康総合大学・大学院大学」。同校では従来、申請業務は紙ベースで行われており、業務効率の低下や意思決定の遅れが課題となっていた。特に大学と附属病院が併存する複雑な組織構造が、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の壁となっていた。承認に3週間から1カ月を要することも珍しくなかった。
そこで、これらの課題を解決する基盤としてAgileWorksを導入した。選定にあたっては、複雑な承認経路や決裁権限をシステム上で再現できる「柔軟な組織設定機能」を評価した。また、コストパフォーマンスに優れた「同時ログインユーザーライセンス」や、ユーザーが違和感なく使用できる「フォーム作成機能」も決め手となった。
現在、順天堂大学では100種類以上の申請書がAgileWorksで運用され、年間6万件以上の申請が行われている。利用者数は大学、大学院、附属病院を含めて1万7000人に上る。導入効果として、特に契約に関する申請業務の迅速化が挙げられる。従来は年間400~500件ある契約申請の承認に最大2カ月かかっていたが、導入後は1週間ほどに短縮され、大幅な効率化が図られた。
組織全体での業務効率化も進んでおり、エイトレッドの試算によると、申請業務1件あたり約10分の時間が削減され、年間で約2000万円の経費削減効果が見込まれているという。今後は、AgileWorksのCSV出力機能やシステム連携を活用し、大学全体の業務自動化とDXをさらに加速させる方針だ。