りそなグループは、グループ内3行のローン業務の統合と標準化を目的としたデジタルトランスフォーメーション(DX)基盤を構築した。システム開発や業務設計の支援をテックファームから受け、関西みらい銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行で順次稼働を開始した。グループ横断の共通プラットフォーム活用により、開発・保守コストの削減と業務品質の均質化を目指す。
りそなグループでは従来、各行の実務要件に合わせて専門化された独自のローン業務フローやシステム運用が並立していた。グループ全体の最適化に向けて、単なるシステムの刷新にとどまらず、各行で異なる事務手続きや審査プロセスを統一された業務モデルへ再構築することが課題となっていた。
プロジェクトにあたって、テックファームは現場へのヒアリングと業務分析を徹底し、各行の運用実態を可視化した。その上で、将来の拡張性を見据えつつ、グループ全体で共有可能な標準モデルを設計した。新基盤にはSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)型ソリューションの「Zoho」を採用し、申込から審査、契約、実行、フォローに至る一連のローン業務フローを一元管理する体制を整えた。
構築に際しては、専門知識を要する判断ロジックや帳票作成プロセスにおいて、大規模なローコード開発による自動化を実装した。これにより、業務の効率性と正確性を向上させている。運用面では、先行して構築した関西みらい銀行のモデルをベースに共通仕様を策定し、りそな銀行と埼玉りそな銀行へ展開することで、各行の特性に対応しながらもコア業務の共通化を実現した。
新基盤の導入により、大きな効果が得られている。まず、各行個別のシステム投資を抑制し、共通基盤を活用することでグループ全体でのIT投資効率が向上した。また、従来は担当者の経験やExcel運用に依存していた判断基準をシステムロジックへ置き換えたことで、属人化を解消し、審査基準や進捗管理の標準化を達成した。さらに、SaaS上での一元管理によって審査や契約のステータスが可視化され、業務スピードの向上と透明性の確保にも寄与している。
りそなホールディングスDX個人部は、本プロジェクトについて、旧システムの老朽化に伴う移行と業務の自動化・平準化を同時に実現することを目指したと説明する。テックファームが現場に入り込んで業務分析を行い、最適なシステム構築に対応したことに謝意を示している。今回のDX基盤は今後、グループ内でのさらなる活用拡大が計画されており、業務の標準化と効率化を一層加速させる。