東宝、グループ30社の規程管理基盤を半年で構築 改定状況を可視化し、稟議対応を迅速化

2026年9月17日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 東宝は、主要グループ会社を対象に、KiteRaが提供する社内規程クラウド「KiteRa Biz」の運用を開始した。9月16日、KiteRaが発表した。グループ各社の規程管理状況を一元的に把握できる体制を整え、重要規程の改定に伴う稟議対応の迅速化につなげた。今後は積極的なM&Aによる事業拡大を見据え、グループ全体のガバナンス強化を推進する。

東宝は映画、IP・アニメ、演劇、不動産事業を展開する大手エンタテインメント企業。「東宝グループ 中期経営計画2028」においてコンテンツやIP領域のM&A、戦略出資などを成長投資の柱に位置づけており、事業領域の拡大を進めている。2026年7月に改訂版が公表されたコーポレートガバナンス・コードなどを背景に、企業にガバナンス強化を求める動きが強まっている。

 グループの規程管理を担うコーポレート本部経営企画部グループ戦略室では、成長戦略に伴って増加するグループ会社の規程管理体制の整備が急務となっていた。従来は各社が文書作成ソフトや表計算ソフトで規程を作成・管理し、改定後のファイルを本社の指定する共有ストレージへ格納する運用をとっていた。そのため、どの規程が最新版か、改定作業が進んでいるかなどを都度各社へ確認しなければならず、進捗の把握や催促に多くの工数を要していた。特に管理部門の人員が限られるグループ会社では、運用の負荷が大きな課題だった。

 さらに、新たに企業をグループに迎え入れる際には、会社ごとに規程の整備状況が異なる。既存グループ会社の規程を参考にしながら各社の実情に合わせて体系を整える必要があるが、参入時期を事前予測することは難しいため、平時から規程管理の共通基盤を整備しておく必要があった。こうした背景から、東宝は2025年4月に主要グループ会社30社を対象としたKiteRa Bizの導入プロジェクトを開始した。

 プロジェクトでは、限られた体制の中で各社の理解を得るため、早い段階から情報を共有した。一律の期限を設けず、準備が整った会社から順次活用を進めるとともに、管理部門の担当者が少ない会社には個別に支援を実施。KiteRaによる説明資料の整備や運用方法の整理といった実務支援も受け、導入担当者2名の体制でありながら、開始から半年後の同年10月に本番稼働を果たした。

 新基盤の稼働により、経営企画部がグループ各社の規程改定状況を一元管理できるようになった。各社への個別確認にかかる負担が軽減し、本社側でグループ全体の状況を把握しながら迅速な判断を下せる体制が整った。また、各社が重要規程を改定する際、従来は表計算ソフトで新旧対照表を作成していたため資料準備に時間を要していたが、システム上で新旧対照表を確認できるようになった。これにより、稟議が正式に回覧される前に内容を精査できるようになり、意思決定のスピードが向上した。法改正の通知もシステム上で確認できるため、各社での規程見直し作業も円滑化した。

 さらに、多様な制作現場や受託物件先など社外で業務にあたる従業員が多いエンタテインメント業界特有の環境にも対応。場所を問わず必要な規程へアクセスできるようになり、紙媒体で規程を管理していた現場でも、規程を確認しやすい環境が整った。

 今後は、規程管理基盤を内部統制の要として位置づけ、新たにグループへ加わる企業に対しても既存の規程情報を活用して早期の体制構築を進める方針だ。社内のM&A担当とも連携を深め、グループ各社が自律的かつ適切に規程を運用できる環境づくりを継続していく。

 東宝コーポレート本部経営企画部グループ戦略室の佐久間勇介氏は、「規程管理の基盤を整えることは、既存のグループ各社にとって最新状態を確認できる守りのガバナンスとしての意味を持つ。同時に、新たにグループへ加わる会社に対しても他社の規程を参考にしながら整備できる環境を用意できる点で、攻めの成長戦略を後押しする体制づくりにもつながっている」と話している。

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