阪急交通社は、アイキューブドシステムズのモバイル端末管理サービス「CLOMO MDM」を活用し、全社員と添乗員が利用する約9600台のモバイル端末を一元管理している。アイキューブドシステムズが9月16日、事例情報を公開した。運用管理の負担軽減と、利用者・用途に応じたセキュリティ統制の両立を図る。
阪急交通社は、主力ブランドの「トラピックス」をはじめ、国内・海外旅行や訪日外国人旅行、法人向けサービスなど多角的な旅行事業を手がける総合旅行会社だ。同社では、全社員向けに内線や社内システムを利用するためのiPhone約2600台を貸与している。さらに、日本国内や世界各地の現場でツアーに同行する添乗員向けとして、日報作成や経費精算、現地での情報確認に用いるAndroidスマートフォンやiPad約7000台を配備している。
これまでも同社ではモバイル端末管理(MDM)ツールを運用していたものの、設定画面や操作手順が直感的でなく、設定の変更や状況把握に専門的な知識が必要とされるなど、運用管理の負担が大きな課題となっていた。旅行業務の現場では多様な端末が常時稼働しており、情報システム部門に限らず安全かつ迅速に端末環境を統括できる体制づくりが求められていた。
こうした背景から、同社は管理画面の操作性やサポート体制を重視してMDMツールの見直しに着手した。一部の端末による試行運用を実施した結果、直感的に操作できる管理インターフェースを評価し、全社規模での移行を決断。機種変更のタイミングに合わせて移行を進め、合計約9600台のデバイスをCLOMO MDMの管理下に集約した。
採用にあたっては、専門知識を持たない担当者でも設定や確認を迷わず行える管理画面の使いやすさに加え、充実したマニュアル、サポート窓口、ユーザー向けセミナーなどの手厚い支援体制が決め手となった。CLOMOは、政府が定めたセキュリティ基準を満たすサービスとしてISMAPにも登録されている。
刷新後は、利用者の役割に合わせた柔軟なセキュリティポリシーを適用している。社員用iPhoneには社内教育や運用規定を前提として一定の自由度を残し、現場での業務活用を促す設計にした。一方で、世界各地で運用される添乗員用のAndroidやiPadについては、ツアー業務に必要な用途に機能を限定。不要なアプリケーションの追加制限やスクリーンショットの制御を実施し、海外渡航先などの現場でも情報漏洩を防ぎながら安全に利用できる環境を整えた。
さらに、数千台規模の端末に対して管理者側から業務アプリケーションを一斉配信する仕組みを構築したことで、利用者側の設定作業や、管理者側の問い合わせ対応の負担軽減につながった。万が一の紛失や盗難が発生した際にも、遠隔からの紛失モード起動や位置情報の追跡機能を活用し、迅速な初動対応が可能になった。
阪急交通社は今後もCLOMO MDMを活用し、現場の利便性を維持しながら強固な統制と安定した運用管理を継続していく。