新潟県小千谷市は、市民サービスの向上を目的とした「書かない窓口」の実現に向け、基幹業務システムと窓口支援システムのデータ連携基盤として「ACMS Apex」を採用した。7月14日、ACMS Apexを提供するデータ・アプリケーションが発表した。これにより、住民が窓口で申請書を記入する必要がなくなり、窓口業務の迅速な対応が可能になったという。
小千谷市では、窓口支援システムの導入にあたって、既存の基幹業務システムとのデータ連携に課題が顕在化していた。基幹業務システム側で、窓口支援システムが必要とするデータレイアウトを出力する機能の実装が困難であったためだ。
この課題を解決するには、基幹業務システムから出力したデータを、窓口支援システムの仕様に合わせて変換する必要があった。加えて、基幹システム側がShift_JIS、窓口支援システム側がUnicodeと、両システムの文字コードが異なっていたほか、市が独自に使用する約1300字の外字への対応も必要で、データ変換・加工がプロジェクトの大きな障壁となっていた。
そこで同市は、既存のアプリケーションを変更することなく、シンプルなシステム間のデータ連携を実現すべく、ACMS Apexを採用した。データ・アプリケーションによれば、同製品は単一のソフトウェアでシステム間のデータ連携を実現するデータ連携プラットフォーム。搭載しているデータハンドリングプラットフォーム「RACCOON」は、多彩なデータフォーマットや文字コードの変換・加工にノーコードで対応できるという。小千谷市はACMS Apex評価版による検証で、Shift_JISからUnicodeへの文字コードを一括で変換できることや、外字テーブルを作成するだけで外字変換も可能なことを確認し、採用を決めた。
導入後、小千谷市はACMS Apexを活用して基幹業務システムと窓口支援システムを連携させ、住民基本台帳などの重要なデータを5分ごとに更新する仕組みを構築した。これにより、窓口支援システムには常に最新の情報が連携され、市民が手書きで申請書を作成する手間が不要になった。結果として、申請から証明書発行までの時間が平均3分30秒と従来比で大幅に短縮され、窓口業務のスピードが向上したとしている。
同市は今後、さまざまな手続きを網羅的かつスピーディーに進められる、市民にとってより利便性の高い窓口サービスを検討していく方針だという。