国土交通省、建設業通報窓口のデジタル化で受電35%減

2026年5月31日18:15|ニュースCaseHUB.News編集部
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 国土交通省は、建設業法違反に関する通報・相談窓口などの業務効率化を目的に、デジタル行政プラットフォームを活用した窓口改革プロジェクトを完了した。5月29日に、この取り組みを支援したグラファーが概要を公表した。通報窓口の一部を電話からWeb経由に切り替えることで、駆け込みホットラインへの電話件数を約35%減少させた。今後は、同省が主体となって構築したデジタル基盤を運用し、継続的な業務効率化を図る。

 2024年6月の改正建設業法の成立以降、技能労働者の処遇改善や働き方改革に関する関心が高まり、国土交通省の通報・相談窓口である駆け込みホットラインへの相談件数は増加傾向にある。一方、従来は電話対応が中心であったため、担当職員の負担増と迅速な対応の両立が課題となっていた。さらに、指導や実地調査を担う「建設Gメン」の体制強化を進める中で、今後の相談件数の増加にも対応できる効率的な受付体制の整備が求められていた。

 プロジェクトでは、具体的なシステム導入に先立ち、約2カ月間にわたり窓口業務の実態調査を実施した。駆け込みホットラインに寄せられる相談内容を定量・定性の両面から分析し、相談の内訳や傾向を可視化した。その結果、適正な取引に関する通報だけでなく、制度の対象外となる内容や、他部署・他機関が担当すべき問い合わせも多く含まれている構造的な課題が明らかになった。この分析結果を踏まえ、単に既存の電話窓口をデジタル化するのではなく、通報者を適切な情報や相談先に誘導する仕組みを組み込んだ。

 具体的には、建設業関連の相談窓口として、四つの機能をワンストップで整備した。第一に、利用頻度の高い制度案内やQ&Aを集約した「建設業法令遵守ポータルサイト」を構築し、自主的な情報収集を支援した。第二に、いくつかの質問に回答することで相談内容を整理し、状況に応じた相談先を提示する「建設業相談窓口ナビ」を用意した。第三に、自動音声応答システム(IVR)を導入し、電話の入り口でウェブサイトへの誘導や担当部署への自動振り分けを行う仕組みを整えた。第四に、選択肢に沿って入力することで、違反が疑われる行為の内容や関係者を正確に記載できる「駆け込みホットライン情報収集フォーム」を実装した。これらの機能の基盤として、Graffer Call、自動案内用のGraffer手続きガイド、情報集約用のGrafferポータルなどのサービスを活用している。

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実装されたデジタル環境の全体像

 こうしたデジタル環境の整備により、通報経路の分散と業務負担の平準化が進んだ。導入前は電話とウェブ等の比率が約2.5対1と電話に偏っていたが、導入後は0.7対1となり、ウェブフォームからの通報件数は導入前の2倍を超えた。相談者が自ら適切なページにたどり着ける導線を整えたことで、制度の対象外となる問い合わせが整理され、職員が対応すべき案件が明確化された。その結果、法律違反の疑いがある事案の調査など、優先度の高い業務により多くの時間を充てられる運用体制が整っている。

 地方整備局の担当職員を対象にした調査では、事前に通報内容を把握できるようになったことや、対象外の電話が抑制されたことにより、応対に伴う心理的負担の軽減や業務の円滑化につながっているとの回答が得られた。突発的な電話対応による業務中断が減少したことで、計画的に調査や関係者への対応を進めやすくなったという声も挙がっている。

 今回の取り組みにより、従来の受動的な窓口対応から、限られた行政リソースを重点分野に配分する戦略的な運用への転換が期待されている。通報者にとっては、時間や場所を問わずウェブ上から正確な情報を提供できる手段が整備され、現場側にとっては専門性の高い調査や是正指導に集中しやすい環境が生まれつつある。

ニュースリリース