スカイ365は、24時間365日体制で提供する障害監視・インシデント対応業務の運用基盤として「Zendesk」の活用を拡張した。顧客セルフサービスの実現や自社AIとの連携、分析機能の活用を進めた結果、顧客数が増加する中で月間の処理チケット数を5万件から4万件へ削減することに成功した。体制を増員することなく安定運用を維持している。
スカイ365は、クラウドに特化したマネージドサービスプロバイダー(MSP)として、AWSやMicrosoft Azure、SaaSなどのマルチクラウド環境を対象に、障害監視から問い合わせ対応までを一貫して提供している。
同社は2014年の設立時よりZendeskを導入し、サーバー監視システムとの連携によるアラート対応業務の自動化を推進してきた。月間5万件に及ぶアラートの97%を自動処理する体制を確立していたが、さらなる運用負荷の軽減や高度な分析、顧客セルフサービスの実現が課題となっていた。
課題解決に向け同社は、Zendeskを軸とした運用基盤のさらなる拡張に取り組んだ。自社開発のオーダーマネジメントシステムにZendeskのシングルサインオン(SSO)を導入し、従来同社が受け持っていた設定変更作業を顧客自身が直接実行できるセルフサービス型へ転換。また、自社環境で構築したAIシステムをZendeskとAPI連携させ、チケットの要約生成や過去の類似チケット検索に活用することで、情報管理要件を満たしながら実務の効率化を図った。
さらに、ブランド機能を活用して提供サービスごとに独立した窓口を設定したほか、192件にのぼるマクロをカテゴリ分けしてテンプレート運用することで誤字脱字の防止や文章作成時間の短縮を実現した。自動電話通報システムとの連携や、タグとフィルターを用いた専用ビューの活用により、1日3回のシフト交代時におけるスムーズな情報共有と対応漏れ防止の体制を整備した。
新基盤の本格活用により、月間チケット数は5万件から4万件へと約20%減少した。有人で対応するチケットは全体の約3%となる月間1000件程度にとどまり、体制を増員せずに安定運用を維持できている。自動化によって削減された時間は、エンジニアのスキル向上や改善活動に充てられている。
スカイ365 MSP部 部長の東澤琢磨氏は、「色々なシステムと連携して自動化を積み重ねてきた結果、Zendeskはなくてはならない基盤になっている。これを自社開発しようとすると大変なコストがかかる。Zendeskを使い倒していきたい」と話している。同社は今後、アプリビルダーによる現場主導の開発や認証基盤の拡張、AIOpsによる自律的な障害対応サービスの提供を目指す。