スバル、3Dプリンター用の高速ヘッド活用で金型開発期間を半減 コスト70%削減も

2026年1月21日22:58|ニュースCaseHUB.News編集部
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 スバルオブアメリカは、自動車用金型の開発を加速させるため、ストラタシスのF770 3Dプリンター向け「新型T25高速ヘッド」を採用した。1月21日、ストラタシスが発表した。材料を一層ずつ付加・積層して立体物を作る社内のアディティブ製造工程に、高速プリントヘッドを組み込むことで、金型開発期間を50%以上短縮した。プロトタイピングや金型製作全体のコスト削減も図り、製造工程の効率化を推進する。

 スバルオブアメリカは、米国におけるスバル車の販売やサービスを統括する企業だ。同社のエンジニアリングチームは、アクセサリや取付工具の開発支援を担っている。自動車の組立ラインを円滑に稼働させるためには、一貫性と応答性の高い工具製造が不可欠だが、従来の製造手法ではリードタイムやコスト面で課題を抱えていた。

 従来の金型製造では、コンピュータで工作機械の動きを数値制御して行うCNC(Computer Numerical Control)加工による高コスト化や、外部委託に伴う8週間から12週間という長い納期が負担となっていた。また、外部への依存度が高いことで、急な仕様変更や緊急の金型需要への柔軟な対応が難しい側面もあった。こうした課題を解決し、速度と部品品質を両立した社内生産体制を確立するため、新たなソリューションの検討を進めた。

 そこで同社は、ストラタシスの大型3Dプリンターである「F770」向けに新たに開発された新型T25高速ヘッドを早期に導入した。この製品は、大型部品の造形速度を従来比で最大2.3倍まで高速化できる性能を持つ。工業生産環境での活用を前提に設計されており、品質を維持したまま納期を短縮できる点を評価した。

 導入の結果、ツールの開発時間は50%以上削減された。36インチサイズの大型ツールの造形速度は、標準ヘッドを使用した場合と比較して約2倍に向上した。また、プロトタイピングと工具製作にかかる総コストは70%削減された。部品の再現性や品質も向上しており、スバルはF770プラットフォームへの生産集約を加速させている。緊急の金型製作依頼にも迅速に対応できる体制が整った。

 スバルのプロジェクト・エンジニアリング・マネージャーであるマット・ダロフ氏は、F770による生産性向上で、より信頼性の高い堅牢な運用が可能になったと述べている。社内の担当者に部品を早期に提供することで、開発段階で見落としていた問題を早期に発見できるようになったという。これにより、修正を素早く行い、不良品の生産に伴う時間や材料の無駄を最小限に抑えられているとしている。

ニュースリリース