ビューティガレージは、在庫効率の向上と発注業務の負担軽減を目的に、自動発注AI「α-発注」を採用した。1月21日、同サービスを提供するinfonervが発表した。導入により、1SKU(Stock Keeping Unit)あたりの在庫量を約30%削減しながら、欠品率を従来と同水準に維持することに成功した。SKU数が増加する中でも物流オペレーションの負担を抑え、取引先への安定供給と事業成長を両立させる運用体制を整えた。
ビューティガレージは、理美容やエステ業界向けの商材をECサイトや卸売を通じて展開している。事業の成長に伴い取り扱うSKU数が年々増加しており、従来はExcelを中心とした発注および在庫管理を行っていた。しかし、SKUの増加によって需要トレンドの変化を十分に捉えきれず、欠品と過剰在庫が同時に発生するなどの課題が顕在化していた。また、担当者の経験や勘に依存する部分が大きく、発注品質のばらつきや業務過多による残業の常態化も問題となっていた。
複数の自動発注システムを検討する中で、同社はα-発注の選定を決めた。決め手となったのは、東京大学の研究者チームが開発に携わり、統計学的な知見に基づいた設計がなされている点への信頼感だ。導入前のシミュレーションで在庫量や欠品率の具体的な変化を確認できたことも、意思決定を後押しした。加えて、現場への定着を左右する操作画面の使いやすさや、機能と信頼性に対してコスト面でも納得できると判断した。
導入プロセスでは、最初の1カ月間は仕入先を1社に限定して検証を実施した。AIが提示する推奨値の妥当性を確認しながら、実運用に即した細かな調整を行った。現場への説明に際しては、個別のSKU単体の動きではなく、全体の需給バランスを最適化する仕組みであることを丁寧に伝えた。背景にあるロジックへの理解を深めることで、現場の納得感を得ながらスムーズに全体展開を進めることができた。
α-発注の活用により、在庫効率は改善された。1SKUあたりの在庫量を約30%削減しつつ、欠品水準は導入前と同等を維持している。出荷量に応じて商品をクラス分けし、回転率や発注頻度を自動で調整することで、担当者ごとの判断のばらつきも解消された。さらに、これまで手作業で行っていた計算作業が自動化されたことで、担当者の業務負荷や残業時間は減少した。SKU数が増加し続ける状況下でも、効率的な運用を継続できる体制が整った。
今後は物流と購買を組み合わせた全体最適化をさらに進める計画だ。AIを活用し、1人あたりの入庫負担と在庫効率の最適なバランスを追求していく考えだ。ビューティガレージ執行役員CLOの矢羽田義男氏は、事業成長でSKUが増え続ける中で、Excel管理の継続にはどこかで限界が来ると感じていたと話す。統計学に基づいたα-発注の導入により、SKUが増えながらも在庫量を減らし、かつ欠品を悪化させずに運用できている点は大きな成果だとした上で、今後も取引先サロンへの安定した商品供給を維持していく。