国際両備フェリーは、離島航路の維持や船員不足の解消を目的に、古野電気が開発する自律航行システムを採用した。1月20日、古野電気が発表した。同システムを搭載した旅客船「おりんぴあどりーむせと」は、2025年12月5日に国の船舶検査に合格。一般旅客が乗船する定期船として、自動運転レベル4相当の機能を活用した商用運航を世界で初めて開始する。高度な自動化技術の実装により、離島住民の安定的な輸送インフラの確保につなげたい考えだ。
今回の取り組みは、日本財団が推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」の一環として実施された。日本国内には約400の有人離島が存在するが、近年は人口減少や高齢化に伴う船員不足が深刻化しており、生活航路をいかに維持するかが課題となっている。船舶の自動化により運航の省力化を図ることで、船員の確保を支援するとともに、将来にわたって離島住民の人やモノの輸送を支える体制の構築を目指す。
古野電気は、MEGURI2040に第1ステージから参画している。今回採用された自律航行システムは、MEGURI2040の第2ステージで目標に掲げられた規格・標準の設計思想に基づき開発されたものだ。多種多様な国内53社で構成されるコンソーシアム「DFFAS+(Designing the Future of Fully Autonomous Ships Plus)」での知見を活かし、システム間インターフェースの標準化を実現しているのが特徴。
実現された自動運転レベル4相当とは、完全自動運航が一部可能な技術段階で、特定エリアや条件下で人の介入不要の完全自動運転のことを指す。実際におりんぴあどりーむせとにおいては、連携する他社システムを切り替えて自動運航機能を動作させることに成功しており、特定のメーカー機器に依存しない高い汎用性が示されている。
おりんぴあどりーむせとは、2025年7月に第1段階の船舶検査に合格し、同年12月の第2段階検査を経て商用運航の認可を得た。これにより、特定エリアや条件下において、自動運転レベル4相当での運航が可能となった。最新のデジタル技術を既存の航路に適用することで、操船者の労務負担を軽減するだけでなく、人的ミスに起因する海難事故の防止にも寄与する。