野村総合研究所(NRI)は、パブリッククラウド運営サービス「QUMOA(クモア)」の顧客向けサービスポータルに、ServiceNowのカスタマーサービス管理(CSM)ソリューション「ServiceNow CRM」を採用した。1月20日、同ソリューションを提供するServiceNow Japanが発表した。従来製品からの刷新により、問い合わせ対応工数を約30%削減した。今後はAI関連機能の活用により、さらなるサービス拡充と運用の高度化を目指す。
NRIは2006年からクラウドビジネスを展開しており、AWS(Amazon Web Services)の国内初プレミアティアサービスパートナー認定や、Microsoft Azure、Google Cloud、Oracle Cloud Infrastructureでの最上位認定を持つ。近年はAI分野にも注力し、ベンダーフリーの立場で顧客のマルチクラウド戦略や高度なクラウド活用を支援している。同社が提供するQUMOAは、マルチアカウント管理やダッシュボード機能などを提供する基盤で、2015年の開始以来、対象を一般向けへと拡大させてきた。
QUMOAの顧客向け窓口である「クラウドマネジメントポータル」では、従来は他社製品を使用してサービスを提供していた。しかし、業務効率の向上や、将来的な生成AI関連機能の追加といったサービス拡充を見据え、システム基盤の抜本的な見直しを決めた。複数のソリューションを検討した結果、市場での高い評価に加え、充実したポータル機能やワークフロー、ユーザーインターフェースの質、そして開発の生産性を総合的に評価し、2023年にServiceNowの採用を決定した。
採用にあたっては、顧客のクラウド運用の高度化を支援できる点や、自動化によって従業員をより生産性の高い業務へシフトさせることが可能になる点も評価のポイントとなった。また、ServiceNowが推奨する標準機能(OOTB)の活用を前提とすることで、将来的な製品アップデートへのスムーズな対応と、長期的な保守コストの抑制が期待できると考えた。
導入プロジェクトでは、カスタマイズを最小限に抑える方針を徹底した。2023年後半から約1年間にわたり、社内での利用と改善を繰り返すことでシステムの完成度を高めた。その後、2024年後半にクラウドマネジメントポータルの一般公開を開始した。標準機能を最大限に活かすことで、開発コストを抑えつつ安定した稼働環境を短期間で構築した。
新ポータルの稼働により、問い合わせ対応業務の負荷は30%軽減されるなど、具体的な成果が上がっている。ポータル機能とワークフローの統合により、情報の集約と対応の迅速化が進んだ。これにより、創出された時間を顧客への提案やさらなる品質向上に充てられる体制が整ったとしている。
今後、NRIはQUMOAのさらなる進化に向けて機能拡張を継続する。ServiceNow AIコントロールタワーやAIエージェント、生成AIを活用した「Now Assist」などの最新機能の活用を視野に入れている。さらにセキュリティオペレーション機能との連携も検討しており、AIを軸とした自律型ワークフローを構築することで、顧客のマルチクラウド環境における利便性と安全性の向上を追求する方針だ。