マネックス証券は、証券基幹システムのデータベース基盤として「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」の「Oracle Exadata Database Service」を採用した。1月20日、日本オラクルが発表した。急増する取引負荷への対応力強化とコスト最適化が目的だ。2025年4月から本番環境の一部で稼働を開始しており、従来のオンプレミス環境を増強する場合と比較して、約40%のコスト削減を見込む。国内の大手オンライン証券において、基幹システムのデータベースがOCIへ移行するのは初の事例となる。
マネックス証券は1999年設立のオンライン証券大手。NTTドコモとの資本業務提携を通じた新サービスの展開により、2025年11月時点で総口座数は280万口座、預かり資産は10兆円を突破している。利用者拡大や通信との融合による次世代プラットフォームの推進が進む中、相場急変時などの負荷増大にも耐えうる、柔軟で弾力的なインフラ構築が急務となっていた。
従来、本番用やステージング用、災害対策(DR)用の環境は、それぞれオンプレミスの「Oracle Exadata」で運用されていた。しかし、相場ニュースなどの影響で処理負荷が平常時の約2倍に達する局面もあり、需要に応じてリソースを即座に増減できる環境が求められていた。そこで、既存環境の高い性能と信頼性を維持しつつ、投資効率を最大化できるクラウドへの移行を決定した。
選定にあたり、Oracle Exadataの処理性能に加え、「Oracle Real Application Clusters(RAC)」による高可用性をそのまま継承できる点を評価した。入念な検証(PoC)を通じて、クラウド移行後もオンプレミスと同等のパフォーマンスを発揮することを確認。主要な移行工程を自社の内製体制で推進することで、短期間での本番稼働を実現した。
今回の移行により、一部の処理をOCIへ分散したことで、既存のオンプレミス側の負荷を軽減しリソースを確保することに成功した。オンプレミスとクラウドを安全かつ高速に接続するハイブリッド構成をとることで、通信遅延の影響を最小限に抑えた運用環境を確立している。また、事業の継続性をさらに高めるため、フルマネージド型のデータ保護サービスである「Oracle Database Zero Data Loss Autonomous Recovery Service」の導入検討も進めている。
マネックス証券システム管理部長の中村拓也氏は、ビジネスの成長と取引増に対応しつつコンプライアンスを維持するため、より堅牢で拡張可能なプラットフォームが必要だったと振り返る。Oracle Exadata Database Serviceへの移行により、システムの性能強化とコスト最適化が図れたほか、OCIのセキュリティ機能によって高い基準を維持できているという。今後は「Oracle Autonomous AI Database」を活用したデータ分析領域でのAI活用なども視野に入れ、基幹システムのさらなるモダナイゼーションを推進する方針だ。