日清食品グループが、Microsoft Power Platformと生成AI技術を活用した対話型チャットアプリNISSIN AI-chatを導入し、業務効率化を推進している。11月14日、アバナードが発表した。
日清食品グループは、中長期成長戦略において「NBX(NISSIN Business Transformation)」を全社活動テーマとして掲げ、ビジネスモデルの変革を目指した取り組みを進めている。グループ全体でデジタル技術をいち早く取り込み、業務改革を推進していくには、IT部門が従業員に対して生産性の高い環境を整備することが重要なテーマだと考えていた。
こうした中、生成AI「GPT-4」のリリースをきっかけに、生成AIを活用した社員の働き方改革、生産性向上のあり方について検討を開始。マイクロソフトのAzure OpenAI Serviceを用いたグループ独自のチャットシステムを開発することを決定した。
開発プラットフォームとしてPower Platformを選定した理由は、これまでにPower Platformを用いて業務アプリケーションを構築していたため、社内にナレッジが蓄積されていることに加え、Azure OpenAI Serviceとの連携性が高いことによる。
開発に際し、日清食品グループが重要視していたのがユーザーインターフェースで、アバナードはその実装方法などについてアドバイスを行う形で支援を開始。検討が開始されたのは今年4月初めだったが、アバナードがMicrosoft Power Appsでのローコード開発を支援し、4月25日にはNISSIN AI-chatとして公開された。
NISSIN AI-chatは、主に文章要約や英文翻訳、セールス部門における商談のロールプレイや提案活動のアイデア創出等に活用されはじめており、若手からベテラン社員まで、スキル、ノウハウの標準化と平準化に寄与している。日清食品グループは、スピーディーなリリースを可能にしたアバナードの支援を評価。技術的な質問に対して当日中に的確な返答が得られたことで、3週間という短期間での開発を実現した。
NISSIN AI-chatは、日清食品グループの約4000ユーザーを対象に展開されている。同グループでは、営業で想定される約30の業務にNISSIN AI-chatをはじめとする生成AIを全面的に活用した場合、営業担当者1人あたり年間400時間の労働時間を削減できると見込んでいる。
今後の展開として、日清食品グループではインターネット情報や社内情報を参照できるようにする機能、AIから望ましい出力を得るための質問をより簡単にできる機能などをNISSIN AI-chat上でリリースする予定だ。
ニュースリリースURL
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000039.000009993.html