大東建託、40のDB基盤をクラウド統合 データ統合を4倍高速化、運用費3割削減

2026年3月30日17:31|ニュースCaseHUB.News編集部
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 大東建託は、会計や営業支援など60以上の基幹業務システムが利用する約40のデータベース(DB)基盤のモダナイズに着手した。システム基盤として、日本オラクルの「Oracle Exadata Cloud@Customer」を採用し、「Oracle Exadata Database Service」への移行を開始した。3月30日、日本オラクルが発表した。運用効率の向上により、データ統合処理を約4倍高速化させたほか、運用コストを32パーセント削減する見込みだ。

 大東建託は、賃貸住宅の建設や管理、仲介を中心に不動産関連事業を展開している。賃貸住宅の管理戸数は約130万戸にのぼり、業界トップの実績を持つ。同社は従来、データセンター上の多数のサーバーに分散して「Oracle Database」を運用しており、グループ従業員18000人以上が利用する中核業務を支えてきた。

 しかし、長年の運用によりハードウェアの老朽化が進んでいたほか、分散した複数のDBを個別に維持・管理する負荷の増大が課題となっていた。また、事業成長に伴ってデータ量が増加し、処理負荷が変動するなかで、リソースを柔軟かつ迅速に拡張できる基盤への刷新が求められていた。ライセンスコストの最適化も重要なテーマとなっていた。

 新基盤の選定にあたっては、既存の「Oracle Real Application Clusters(RAC)」や「Oracle Data Guard」を活用した高可用性構成との親和性を重視した。自社データセンター内に設置しながらクラウドの柔軟性を享受できる点を評価し、Oracle Exadata Cloud@Customerの採用を決めた。

 導入プロジェクトでは、分散していたDB基盤の一元化を実施した。これにより運用管理負荷を大幅に軽減し、コストの最適化を両立させている。従来構成のままオンプレミスで更新した場合と比較して、構築コストは約25%、運用コストは約32%削減できる見通しだ。

 性能面でも成果が出ている。ETL連携によるデータ統合処理に要する時間は、従来の約1時間から約15分へと短縮され、約4倍の高速化を達成した。また、月次の料金計算や請求処理の時間は306分から141分へと約54パーセント短縮された。処理の高速化は業務の安定化に寄与し、繁忙期における遅延リスクの低減にもつながっている。

 可用性の面では、データセンター内の複数の筐体間でレプリケーションを行うとともに、「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」を活用したバックアップ環境を整備した。災害時の迅速な復旧を可能にすることで、事業のレジリエンスを強化している。なお、システムの設計と構築は日鉄ソリューションズが支援した。

 大東建託情報システム課長の都築 淳氏は、基幹業務を支える基盤の刷新において可用性、性能、拡張性を重視して採用を決めたと説明する。既存構成との高い親和性を保ちながら、DBの統合と運用負荷の軽減を実現できたとしている。処理の高速化により業務効率が向上し、今後の事業成長やデータ量増加に柔軟に対応できる基盤を整備できたと考えている。

 今後は、整備した基盤を活用してAIや分析ワークロードへの対応も進める方針だ。同社は、最新のテクノロジーを活用したデータ駆動型の経営基盤を強化し、さらなる事業成長を目指す。

ニュースリリース