日本エンジニアリング、kintoneで原価管理を仕組み化 工事納期30%短縮

2026年5月17日20:57|ニュースCaseHUB.News編集部
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 日本エンジニアリングは、クラウドサービス「kintone」を活用した新たな原価管理システムを構築した。5月15日、kintoneを提供するサイボウズが発表した。発注、請求、会計の一気通貫な一元管理を仕組み化したことで、工事納期を30%短縮し、年間4000万円の工事原価を削減。さらに年間5000時間の残業時間削減を達成し、働き方改革と確実な利益創出を進めている。

 日本エンジニアリングは、専門工事から高度なプラントエンジニアリングまで手掛ける建設・エンジニアリング企業だ。建設業界の現場では収支管理がどんぶり勘定になりやすく、赤字の発覚が完工後になるケースが多いことから、収益管理の可視化が大きな課題となっていた。同社も従来は表計算ソフトを用いて収支管理を行っていたが、現場で材料の追加や工数変更が発生した際に数値を直接上書きしてしまうため、変更の経緯を追跡することが困難だった。この混乱は確認や手戻りを増やして残業を常態化させ、現場の疲弊や離職を招く原因となっていた。

 こうした状況からパッケージ型の基幹システム導入も検討したが、既存の業務フローに合わせることが難しく断念。会計システムとシームレスに連携し、仕訳データまで含めて一気通貫で扱える柔軟性と、変更履歴の管理や申請・承認フローといった統制の仕組みを実装できる点を評価し、他システムとの連携が可能なローコードツールのkintoneを採用した。システムの設計・構築にあたっては、建設業務への理解が深いペパコミの伴走支援を受け、約3カ月で原価管理システムを立ち上げた。

 新システムでは、見積書をもとに「工事発注申請アプリ」から申請を行い、承認された内容だけが「工事台帳アプリ」の実行予算原価に反映される仕組みを構築した。これにより現場担当者による勝手な数値変更を防ぎ、手戻りや確認にかかる負担を軽減。また、請求書受領時に台帳情報と照合することで、発注内容と実績のズレを早期に把握して過発注の抑制につなげている。さらにクラウド会計ソフトのfreee会計と連携したことで、確定したデータが自動的に会計側へ連携され、仕訳作業の手間も大幅に削減された。

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原価計算の流れ

 日本エンジニアリング代表取締役社長の能重裕介氏は、「現場の困りごとを経営側から早く拾えて、判断もスムーズになります。誰が何を抱えているかが分かるので、無理が偏りにくく、結果としてトラブルや損害も起きにくい。現場にとっても納得感のある運用につながっていると思います」と話している。

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