東広島市は、庁内LANと公衆無線LANを統合管理するクラウド型次世代ネットワーク基盤を構築した。5月14日、ネットワークの設計構築を担ったネットワンシステムズが発表した。市内62拠点に計340台のアクセスポイントを展開し、国際的な無線LAN基盤に対応。2026年1月より正式運用を開始しており、市民や来訪者の利便性向上と自治体職員の運用管理の効率化を同時に実現している。
多くの大学や研究機関を抱える学術都市として発展してきた東広島市では、市民や学生が街中で利用できる無線インフラの整備を積極的に進めてきた。しかし、従来の公衆無線LANは利用のたびに認証手続きが必要で手間がかかり、本来の利便性を十分に発揮できていなかった。また、庁内LANと公衆無線LANが別々に管理されていたため、自治体職員の運用負担が大きいことも課題だった。こうした背景から、利便性の向上、セキュリティ強化、運用効率化、将来的な拡張性の確保を同時に目指す次世代基盤の整備を決めた。
新基盤の構築にあたっては、クラウド型コントローラを採用し、クラウド利用の増加に対応できる帯域と柔軟な拡張性を確保した。自治体ガイドラインに沿った三層分離の構成を継続し、既存設備を活用することで移行時のコストとリスクを抑制。2025年9月から12月にかけて構築を進め、安定稼働を実現している。
同基盤の導入により、庁内LAN用195台と公衆無線LAN用145台の計340台のアクセスポイントが一元管理可能となり、障害発生時の迅速な復旧対応と担当者の管理負荷軽減が実現した。公衆無線LANには多層的なセキュリティ機能を備え、一度の認証で国や施設をまたいでも再接続の手間がない「OpenRoaming」を導入。さらに、自治体主体としては国内で初めて国際的な学術認証基盤「eduroam」とも連携し、学生や教職員が安全に接続できる環境を整えた。
東広島市DX推進担当部長の橋本光太郎氏は、「今回のネットワーク基盤の刷新により、市民や学生、そして来訪者の皆さまが、これまで以上に安心して無線ネットワークを利用できる環境が整った。公共施設における通信環境が安定し、行政サービスの利用をはじめ、イベントでの活用や自己学習など、さまざまな場面でいっそう便利に活用いただけるようになる」とコメントしている。