社会医療法人財団董仙会恵寿総合病院は、医療情報インフラを最新鋭化するため、デル・テクノロジーズの包括的なソリューション群を採用した。2月2日、同システムの導入を支援したデル・テクノロジーズが発表した。仮想デスクトップ(VDI)環境のレスポンス低下を解消したほか、全面的なクラウド移行と比較して5年間分のインフラコストを約4分の1に削減した。強固なデジタル基盤の構築により、生成AIの活用をはじめとする医療デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させる。
石川県七尾市に位置する恵寿総合病院は、能登地方の急性期医療を支える地域密着型の医療機関だ。20年以上前から電子カルテシステムなどの先進技術を積極的に導入してきたが、システムの拡張に伴い、約1000台の端末を収容するVDI環境のパフォーマンス低下が課題となっていた。また、今後の医療DX推進を見据え、柔軟性と拡張性に優れたIT環境の整備を必要としていた。
ハードウェアの定期更改を機に、病院内の用途に合わせたハイブリッドなシステム構成を構築した。電子カルテなどの医療情報システムを収容するサーバー仮想化基盤には、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)製品である「Dell AX System for Azure Local」を採用。高いパフォーマンスが要求されるVDI基盤には、サーバー「Dell PowerEdge」とオールフラッシュストレージ「Dell PowerStore」を組み合わせた3階層構成とした。さらに、膨大な医用画像データを管理するため、コスト効率に優れたストレージ「Dell PowerVault」を導入した。
採用の決め手として、HCIが持つ運用の簡素化や柔軟性に加え、デル・テクノロジーズ製品群のコストパフォーマンスを評価した。特にAzure Local向けソリューションの導入により、旧環境の製品を継続利用する場合と比較して約30%のコスト削減が可能になったという。
新インフラの導入により、VDIのレスポンス問題は解消された。医療スタッフはAIを活用した問診システムなどの重要アプリケーションに瞬時にアクセスできるようになり、業務の迅速化につながっている。また、PowerStoreの重複排除機能により、データ容量を約7.3対1の割合で削減することに成功し、リソースの効率化を実現した。
現在は強化された基盤を活用し、医師の退院サマリや看護サマリ作成を効率化するための生成AI導入を進めている。事務負担の軽減により、医療従事者が患者へのケアにより多くの時間を割ける環境を整える方針だ。今後は、この柔軟なインフラを土台として、クラウド技術やAIのさらなる利活用を通じた医療サービスの品質向上を目指す。
恵寿総合病院情報部部長の小澤竹夫氏は、生産性向上や働き方改革を目的とした医療DXを推進中だと説明する。その中でHCIの柔軟性や拡張性は大きなメリットであり、今回の構成を採用したことでVDIのレスポンスを改善しつつ、5年間分のコストを全面クラウド化した場合と比較して約4分の1に抑えることができた。