関西電力送配電は、データとAIを活用した事業構造の変革を目指し、組織文化の醸成やデジタル人財の育成、AIエージェント環境の構築を包括的に開始した。変革を支援するパートナーとしてエクサウィザーズを選定した。2月2日、エクサウィザーズが発表した。単なる業務効率化に留まらず、顧客や社会に新たな価値を提供する「エネルギープラットフォーマー」への進化を目標に、全社規模でのDXを推進する。
関西電力送配電は、電力レジリエンスの強化や系統利用ニーズの多様化といった社会的な期待に応える一方で、設備の高経年化や作業員減少という課題に直面している。これらの課題を解決し、長期的なビジョンを実現するためには、データとAIを活用した業務変革が不可欠だと判断した。
組織文化の変革に向けては、社長の宣言により経営層および部長クラス全員を対象とした「DXブートキャンプ」を実施した。エクサウィザーズが企画・実施を支援したこの取り組みにより、参加者の意識は「取り組んだほうがよい」という段階から「取り組まなければならない」という危機感へと変化し、トップダウンで変革を進める土台が整った。
人財育成の面では、2025年3月時点で8169名に上る全従業員をDXの担い手と定義し、スキルの可視化を進めている。2024年4月からエクサウィザーズのDX人財発掘・育成サービス「exaBase DXアセスメント&ラーニング」を導入し、全役員・全従業員を対象としたアセスメントを継続的に実施している。これにより、現場のプロフェッショナルがデジタルツールを活用してボトムアップで課題解決を行う体制の構築を後押ししている。
現場主導の変革を支える環境として、2025年11月からはAIエージェント開発・運用環境「exaBase Studio」を活用したプロジェクトを開始した。企画部や工務部、系統運用部、配電部の4部門と連携し、実業務に精通した推進人財が自らAIエージェントを開発できる環境を整備している。人手不足が懸念される業務の自動化や効率化を図ることで、従業員がより創造的な業務に注力できる体制を目指す。
今後は、同社が保有する膨大な系統データや顧客データを活用した事業の最適化や、生成AIによる業務変革を加速させる計画だ。送配電業務全般を安全かつ正確で迅速なものへと作り替え、グループビジョンの実現につなげたい考えだ。
関西電力送配電常務執行役員CDOの松浦康雄氏は、「当社がDX推進で特に重視しているのは、それを支える文化・人財・環境の強化だ。DXブートキャンプを起点に、経営層から部長クラスまでが同じ危機感と方向性を共有できたことは、大きな転機となった。今後もエクサウィザーズの支援のもと、データとAIを活用した業務変革を加速させ、エネルギープラットフォーマーへの進化を着実に実現していく」と語っている。