ネクステージは、顧客対応の品質向上とガバナンス強化を目的に、コミュニケーションプラットフォーム「カイクラ」の通話録音機能を追加導入した。2月2日、カイクラを提供するシンカが発表した。固定電話や携帯電話を含む全チャネルの通話を自動録音し、AIによる文字起こしや要約、分析を行うことで、会話データを組織全体の価値ある資産として活用する。
中古車販売および買取事業を全国で展開するネクステージは、これまでもカイクラを活用して顧客との会話履歴を人物単位で一元管理し、顧客対応のDX基盤整備を進めてきた。しかし、電話対応の内容そのものを正確に記録し、組織全体で共有・活用する点に課題があった。そこで、会話内容をブラックボックス化させず、客観的なデータとして蓄積するため、全社での通話録音機能の導入を決めた。
製品の選定にあたっては、カイクラが持つ人物単位で会話データを蓄積できる仕組みを評価した。固定電話、スマートフォン、SMSを含む全チャネルのデータを統合し、過去の会話履歴と録音データを紐づけて管理できる点が、同社が目指す顧客データ基盤の構築に適していると判断した。また、全店舗で自動録音されるため、録音漏れのリスクがない点も採用の決め手となった。
今回の導入により、現場の応対品質の均一化と顧客満足度の向上を図る。録音データを振り返ることで、担当者のスキルや経験による品質の差を解消し、優れたナレッジを組織全体で共有できる体制を整える。AIによる要約機能を活用すれば、店長などの責任者が短時間で会話の要点を把握できるようになり、顧客の要望や不安への迅速な対応、さらにはクロスセルやアップセルの機会創出にもつなげていく。
ガバナンスの強化と従業員の保護も重要な目的だ。会話内容を証跡として正確に残すことで、トラブル時の事実確認を迅速化する。加えて、AIによるクレームやカスタマーハラスメントの判定機能を活用し、問題の兆候を早期に検知できる体制を構築した。これにより、従業員が心理的に安心して働ける環境を整備し、組織全体のリスク管理能力を高める。
今後は、蓄積された会話データをAIで詳細に分析し、営業活動の高度化や内製化したナレッジの展開を加速させる計画だ。ハイパフォーマーの営業パターンの可視化や、通話内容からのタスク自動生成など、オペレーションの効率化も進める。
ネクステージ広報室の酒井啓資氏は、「会話内容そのものを正確に残し、組織の資産として活かしたいと考え、通話録音機能を導入した。応対品質の均一化だけでなく、顧客の要望を迅速に把握することで満足度向上につなげられると期待している。録音データを証跡として残すことは、ガバナンス強化や従業員の心理的な安心にも寄与する。今後はAI分析を通じて、顧客満足、売上、従業員保護を同時に高めるデータドリブン経営を実現していきたい」と話している。