エディオンは9月30日、全国416店舗で、商談スペースなど店内のさまざまな場所で会計できるモバイル決済端末の利用を始めた。NTTデータが、加盟店向け決済総合サービス「ADAPTIS」の新端末約2000台を提供した。商品説明や商談をした場所で、そのまま会計を完了でき、レジカウンターへの移動が不要になる。エディオンカードなど、会員・ポイントサービス付き提携カードのタッチ決済にも対応し、ポイントの付与・利用まで行える。
エディオンは中期ビジョンで「店舗DX」を掲げ、人口減少・高齢化に対応した新たなリアル店舗への進化と、快適な購買環境の実現を目指している。家電量販店では、売り場や商談スペースで商品説明や相談対応をし、購入商品を決めた後にレジカウンターへ移動して会計するケースがある。特に大型家電など商談を伴う購買では、接客から会計をスムーズにつなぎ、購入者の移動や待ち時間を減らすことが、快適な購買体験につながる。同社は、固定されたレジカウンターだけでなく、商談した場所でそのまま会計まで終えられる環境を検討していた。
課題は、提携カードへの対応だった。クレジットカードのタッチ決済が広がる中、商談スペースなどでも、同社が発行する提携カード「エディオンカード」の会員・ポイントサービスを利用しながらタッチ決済できることが重要になっていた。提携カードでは、通常のカード決済に加え、カードの判定や、会員情報に紐づくポイントの付与・利用といった処理が必要になる。このため、商談スペースなど店内のさまざまな場所でモバイル決済端末を利用するには、こうした処理への対応が求められていた。
NTTデータは、エディオンの既存の店舗運営や会員・ポイントサービスと連携し、ADAPTISの新モバイル決済端末約2000台を提供する。対象は、直営店舗453店舗のうち、キャリアショップなどを除く416店舗だ。端末は持ち運べるため、購入者は商談を受けた場所からレジカウンターへ移動せずに会計できる。接客から会計までを購入者との接点を保ったまま行い、接客品質の向上や販売機会損失の低減につなげる狙いだ。
新端末は、一般的なクレジットカードのタッチ決済に加え、エディオンカードなど、会員・ポイントサービスが付いた提携カードのタッチ決済にも対応する。提携カードでは、ポイントの付与・利用を含めて会計できる。必要な処理はNTTデータの決済基盤が担うため、店舗のPOSアプリ側の開発負荷を抑えられる。また、1台のモバイル決済端末を複数のタブレットPOSに接続できるため、タブレットPOSごとに決済端末を配置する必要がない。端末の台数を抑えながら、商談スペースなど店内のさまざまな場所で会計に対応できる。
NTTデータは今後、エディオンへの提供をモデルケースに、百貨店やショッピングセンター、専門店など、商品説明や接客をする場所と固定レジが離れている業態へ、新端末の提供を広げる。ADAPTISは、店舗での対面決済に加え、ECサイトなどの非対面決済にも対応する。顧客との接点に合わせて柔軟に決済を提供できるようにし、企業の店舗DXを支援する方針だ。