NTTドコモビジネスは、12の社内システムが共同利用する社内DB共通基盤を、オンプレミスの「Oracle Exadata」から、日本オラクルのクラウド「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」上の「Oracle Autonomous AI Database」に移行し、本番稼働させた。9月30日、日本オラクルが発表した。約400台のサーバーが接続する数十TB規模の基盤で、データベース・ライセンス費用はオンプレミス環境と比べて43%削減した。管理作業の自動化により、脆弱性対応にかかる工数も減らした。
NTTドコモビジネスは、法人向けの総合ICT事業を手がける。ネットワーク管理やセキュリティ対策、サービス運用などを担う12の社内システムが、共通のデータベース基盤を利用している。従来、この社内DB共通基盤はオンプレミスのOracle Exadataで稼働していた。
一部データセンターの見直しを機に、同社は移行先の検討を始めた。既存環境と同等の処理性能とセキュリティを確保しながら、コストを抑え、脆弱性対策を含む運用・保守の負荷を軽減できる環境を求めた。
採用したOracle Autonomous AI Databaseは、利用状況に応じて必要なリソースを柔軟に利用できる料金体系を備える。また、データベースのプロビジョニング、バックアップ、パッチ適用、定期メンテナンスなどを自動化できる。事前検証では、従来のOracle Exadata環境とほぼ同等の処理性能を確認した。閉域ネットワークを利用する接続構成がセキュリティ要件を満たすことも確かめ、OCIへの移行を決めた。
移行後、データベース・ライセンス費用はオンプレミス環境と比べて43%削減した。オンプレミス環境とOCIを併用した移行期間中のハイブリッド環境と比べた場合、削減率は最大51%となった。国内2リージョンを利用した災害対策構成を採用し、事業継続性も高めた。
自動バックアップ、自動パッチ適用、自動メンテナンスを活用することで、セキュリティ脆弱性への対応工数も減らした。AIを悪用したサイバー攻撃や脆弱性のリスクに対しても迅速に対応できるとしている。運用担当者は定型的な保守作業から解放され、サービス改善やデータ活用など、より付加価値の高い業務に注力できるようになった。
同社は今後、ITサービスマネジメントにおけるデータベース管理者の役割を見直す。定型的な運用・保守を中心とした役割から、データを安全かつ価値ある形で活用し、AIを含む新技術を通じて事業部門の意思決定を支援する、アドバイザリー型の役割への発展を目指す。
NTTドコモビジネスの伊藤彰洋執行役員(プラットフォームサービス本部統合サービスオペレーション部長)は、「利用状況に応じた柔軟な課金体系を活用し、オンプレミス環境と比較して関連コストを43%削減した。パッチ適用やバックアップ、定期メンテナンスの自動化で、日常的な保守作業も大幅に軽減された」とコメントする。データベースを常に最新かつ安全な状態に維持できる点に加え、運用担当者がデータ活用や業務改善など、付加価値の高い役割に注力できるようになったことを評価しているという。今後はAIを含む新技術の活用を通じ、業務効率化や品質向上、新たな価値の創出につなげる考えだ。