ココナラ、契約審査件数4倍を30%の工数削減で対応 法務AIで戦略的業務へシフト

2026年3月12日23:36|ニュースCaseHUB.News編集部
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 ココナラは、急増する契約審査業務の効率化を目的に法務AI「LegalOn」を採用した。3月12日、LegalOn Technologiesが発表した。同社は法務AIの活用により、契約審査から締結後の管理までを一元化し、審査工数を約30%削減した。今後は創出した時間を活用し、新規事業のリスク分析など戦略的な法務業務を強化していく。

 日本最大級のスキルマーケットを運営するココナラは、近年、法人向けソリューションやBPO事業にも本格参入するなど、事業の多角化を加速させている。事業拡大に伴い、2023年夏頃から契約審査依頼が急増。月40件から50件程度だった件数は、現在では月100件から130件、多い月には160件を超える規模にまで達していた。

 同社の法務チームは、実務全般を担う担当者1名と、法務アシスタントを含む少数精鋭の体制で運営されている。契約関連業務は法務業務全体の約7割を占めており、NDAや業務委託契約に加え、人材紹介や広告取引など多岐にわたる契約類型への迅速な対応が求められていた。膨大な案件を目視のみで精査し続けることが困難になる中、AIを活用したレビューの効率化と、審査から管理までを一貫して行える仕組みの構築が急務となっていた。

 ココナラは2023年にAIレビューサービス「LegalForce」と管理システム「LegalForceキャビネ」を導入。2025年10月には、さらなる業務効率化を目指して後継サービスであるLegalOnへ移行した。選定にあたっては、レビュー機能の精度に加え、契約書管理まで一つの画面で完結できる操作性の高さや、2100点以上の豊富なテンプレートが揃っている点を評価した。

 導入後は、目視によるスクリーニングとLegalOnによるダブルチェックを組み合わせた審査フローを確立した。特に新規事業などの未経験分野では、AIが論点を洗い出すことで検討材料の整理に役立てている。また、修正文案を自動生成する「AI Revise」の活用により、条文を書き換える手間が軽減された。

 具体的な成果として、契約審査件数が約4倍に増加した状況下でも、審査工数を体感で約30%削減することに成功した。また、社名やタイトルによる検索精度の向上により、締結済みの契約書を探す時間も短縮された。子会社の労働者派遣事業開始時には、LegalOnテンプレートを活用することで、事例の少なかった契約書ドラフトを迅速に作成できている。

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テンプレートの利用イメージ

 今後は、サポートスタッフがAIの指摘を根拠に一次レビューを行うなど、人材教育のツールとしても活用を広げる方針だ。これにより、法務担当者が契約審査に割く時間を現在の7割から5割程度まで引き下げ、新サービスの法令調査といった「戦略的法務」に注力できる体制を目指す。

 ココナラコーポレート本部経営管理部法務チームの砂押邦幸氏は、ハルシネーションのリスクがある一般的な生成AIに対し、法務に特化したLegalOnの正確性を評価している。砂押氏は、AIを活用して審査工数を圧縮し、会社の成長に即応できるよう余白のある体制を構築したいと述べている。また、LegalOnは一人法務の組織から大規模な法務部門まで、あらゆるフェーズの担当者にとって気づきのあるツールだと語っている。

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