丸和運輸機関がバックアップ専用アプライアンス「Arcserve UDP Appliance」を採用し、業務継続体制の強化と運用コストの大幅削減を実現した。2月5日、Arcserve Japanが発表した。
丸和運輸機関は、「災害時にも物流を止めない」という経営方針のもと、事業継続計画(BCP)にも注力している。2011年には、本社業務システムのバックアップ遠隔保管と復旧を目的としたバックアップセンターを秩父に開設した。2018年のシステム更改時に、従来のバックアップソフトウェアをArcserve UDP Applianceにリプレースし、高可用性サーバーを含む全ての重要データの保護体制を構築した。さらに、重複排除と圧縮機能により、バックアップデータ容量を縮小し、運用コストを削減した。2023年のシステム更改でもArcserve UDP Applianceを継続利用している。
以前のシステムでは、高可用性サーバー(FTサーバー)のバックアップが取得できず、またデータの重複排除や圧縮機能がないため、バックアップセンターでも本社同様の大容量ディスクが必要だった。さらに、ソフトウェアの高額なライセンス料も運用コストを押し上げていた。
Arcserve UDP Applianceの導入で、FTサーバーのバックアップが可能になった。本社サーバー約70台分の一次バックアップを取得し、取得データは秩父バックアップセンターのArcserve UDPサーバーで遠隔保管される。また、重複排除と圧縮機能により、バックアップデータ容量を約98%削減し、バックアップセンターのディスクサイズを大幅に縮小した。その結果、ソフトウェアのライセンス料と保守費用が低下し、年間437万円の運用コスト削減を達成した。
丸和運輸機関は、Arcserve Japanが提供するドキュメントやトレーニングを活用し、独自の復旧トレーニングを実施した。これにより、専任担当者以外にもシステム・セキュリティ課の全員がサーバー復旧を行えるようになり、運用体制を強化した。また、Arcserveが提供した手順書に基づき、自社でシステム構築を行ったため、数千万円単位のシステムインテグレーション費用を削減できた。
情報システム部インフラ・セキュリティ課の臼井裕之課長は、2018年のシステム更改について「一番の決め手は、FTサーバーのバックアップが取得できることだった。冗長化しているとはいえ、サーバー自体が災害に遭う可能性がある。これでようやく潜在的なリスクから解放されると思った」と述べている。また、トレーニングを含む運用体制の構築については、「バックアップは取っていたけれど、実は使えませんでしたというのが一番起こってはいけないこと。会社としてはコストをかけて仕組みを構築しているので、われわれとしてもしっかりとした体制を構築するべきだと考えている」とコメントしている。