紀陽銀行、ナレッジ検索基盤で照会対応を年間4400時間削減

2026年9月3日18:02|ニュースCaseHUB.News編集部
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 紀陽銀行は、Helpfeelが提供するAIナレッジ検索システム「Helpfeel」を活用し、営業店から本部への照会業務を年間約4400時間削減した。9月2日、Helpfeelが発表した。行内に散在していた2000件の知識やマニュアルをAIで活用可能な資産として集約し、行内照会の効率化や業務の属人化解消につなげた。創出した時間を活用し、付加価値の高い顧客対応への注力を目指す。

 和歌山県や大阪府を地盤とする紀陽銀行は、人口減少などの地域課題に対応するため、2024年に全行横断でデジタル施策を推進する部署としてDX戦略部を新設した。同行が本部12部署を対象に業務実態を調査したところ、営業店から本部への照会対応に月間数千時間もの業務時間を費やしていることが判明した。特定の経験豊富な行員に業務ノウハウが集中していることや、部署ごとにマニュアルの保管場所が異なり自力での情報検索が困難であることなどが、照会業務の増大や業務の属人化を招いていた。

 こうした課題を解決するため、同行は行内情報の集約と検索環境の整備に向けてHelpfeelの導入を決めた。金融機関ではAIによる誤回答(ハルシネーション)が重大な手続きミスにつながる恐れがあることから、自動生成型AIではなく、誤回答を排除した設計を持つ同製品を選定した。曖昧な表現からでも利用者の意図を汲み取る検索技術や、専門知識を持たない現場担当者でも容易に記事を更新できる操作性も評価した。

 同行はまず、行内に散在していた約2000件のマニュアルやノウハウの集約に着手した。一部営業店での試行を経て、暗黙知となっていた業務ノウハウを組織の共通知識として明文化。Web検索感覚で利用できる直感的な操作性を生かし、操作説明会の開催やマニュアル配布を行わない運用体制で全行展開を進めた。

 その結果、稼働から10カ月で本部への問い合わせ件数を11%削減し、年間換算で約4400時間の照会業務の削減を達成した。自己解決率も58%に達し、問い合わせ頻度の高かった部署でも業務負担の軽減が確認されている。

 同行DX戦略部長の森田昇利氏は、地域密着型の地方銀行では人に聞けば解決するという属人化に陥りやすい特性があると指摘したうえで、ベテラン行員の暗黙知を組織の共通知識として明文化し全行の資産にすることが本質的な意義だと述べている。

 今後は、照会業務の効率化によって創出した時間を、相続や資産運用といった対面での高度な顧客対応へ充てる。さらに行内の問い合わせ窓口へチケット管理システムなどを順次展開し、検索ログと個別問い合わせログをHelpfeel上に蓄積・分析することで、ナレッジの継続的な改善と組織全体の生産性向上を図る。

ニュースリリース