三菱UFJフィナンシャル・グループは、米国銀行持株会社法(BHC法)への対応業務を支える新システムを構築した。システム基盤には、エージェント型システムプラットフォーム「OutSystems」を採用している。9月3日、OutSystems Japanが発表した。開発期間を従来比で50%短縮したほか、議決権比率の計算時間を数時間から約10分に短縮し、業務効率を最大30%向上させた。出資情報の管理や検証業務の高度化を図るとともに、業務部門主導によるシステム内製化を進めたい考えだ。
三菱UFJフィナンシャル・グループは、グローバルな金融規制である米国のBHC法に基づき、年次報告や出資情報の確認、検証業務を行っている。これまで同社では、Microsoft Accessや大規模なExcelシートを用いた手作業と目視中心の体制で、多数のグループ会社や数万規模の事業法人、ファンドの出資データを管理していた。しかし、予測が難しい制度変更やレポート要件へ迅速に対応するためには、手作業を削減し、継続的な改善を支援する再現性と信頼性の高い業務基盤の整備が課題となっていた。
こうした課題を解決するため、同行融資企画部BHC法対応企画室は2024年4月にOutSystemsを採用した。ビジュアルモデリング機能により、複雑な業務プロセスや処理ロジックを可視化しながら迅速に開発できる点、システムのブラックボックス化を防ぎながら業務部門自らが開発や改修、改善を行える体制を構築できる点を評価した。
新システムの構築にあたっては、OutSystemsの特性を生かして開発を進めた。その結果、従来比で50%の開発期間短縮を達成し、2025年7月に本番稼働を開始した。
新システムでは出資情報の登録や検証といった主要業務をシステム化した。これにより、従来は数時間を要していた議決権比率の計算時間を約10分にまで短縮し、手作業を中心とした業務プロセスの大半を解消した。その結果、業務効率は最大30%向上し、出資情報の管理や検証業務の高度化につなげている。さらに、要件変更が生じた際にも、担当部門のユーザー自らが継続的にアプリケーションを改善および拡張できる環境が整った。
同行融資企画部BHC法対応企画室次長の山本晃祥氏は、「BHC法対応業務の負荷を軽減できたことは重要な成果だ。出資情報のより深い分析など、業務の高度化にもつながっている。OutSystemsを活用した開発を通じ、ユーザー部署が自らシステムの保守やメンテナンスを主導的な役割で担う内製化という目標の達成に着実に近づいている。今回培った知見を生かし、今後も業務改善や機能拡張を継続的に進められる体制を築いていきたい」と述べている。