ケイラインロジスティックスは、経理業務のデジタル化を目的に、Sansanが提供する経理AXサービス「Bill One」を採用した。2月26日、Sansanが発表した。新機能のAI自動照合を活用し、これまで手作業で行っていた請求書明細と発注データの照合業務を自動化する。これにより、カスタマーサービス(CS)部門における請求書処理の工数を年間約4600時間削減する見込みだ。
川崎汽船グループの総合物流事業者であるケイラインロジスティックスは、国際航空貨物や海上貨物の輸出入手配を担っている。貿易手続きには配送や通関など多岐にわたる業務が発生するため、1件の出荷につき多くの協力会社へ業務を依頼することになり、受領する請求書の数も膨大になる。これらの請求書を遅滞なく処理し、正確に支払いを実行するには多大な工数を要していた。
特に、協力会社への支払い内容を確定させる際、社内関係者や協力会社とメールで内容を確認する作業が負担となっていた。時には100行に及ぶ請求書明細を一つひとつ目視で確認する必要があり、月初を中心にCS部門のほぼ全職員が5日間ほどを費やして対応する状況だった。さらに、電子帳簿保存法への対応として、受領したファイルの名称変更や検索要件の確保といった事務作業も増加し、現場の大きな負荷となっていた。
こうした課題を解決するため、同社はBill Oneの導入を決定した。選定にあたっては、複雑な操作を必要としない照合画面の使いやすさを評価した。基幹システムで管理している発注データをBill Oneに連携させることで、請求書の受領から照合までのプロセスを一気通貫で効率化できると判断した。
導入後の運用では、Bill Oneの「AI自動照合」機能を活用する。請求書と発注データを合計金額だけでなく、高速料金やトラック料金、通関料金といった明細単位で自動照合する。不一致が発生した場合には該当箇所がハイライト表示されるほか、クラウド上のURLを共有することで社内関係者との確認作業も迅速化できる。
また、紙やメールなど多様な形式で届く請求書をBill Oneが代理受領してデータ化するため、同社は請求書の受け取り業務自体をなくせる。データ化の際にはタイムスタンプの付与や検索機能の確保も自動で行われるため、電子帳簿保存法の要件も容易に満たせるようになる。
現在は海上貨物部門を中心に運用を開始している。今後は航空部門や管理部門など、活用範囲を全社的に拡大していく。
ケイラインロジスティックスグローバル営業本部グローバル戦略課課長の天野浩靖氏は、「配送や通関、梱包など多くの手配に関わっているが、月初を中心に請求書の支払処理に追われる現状があった。特にトラックの手配は明細が50から100行に及ぶこともあり、確認作業には多大な工数がかかっていた。今後は全社的に活用を広げることで、さらなる業務生産性の向上を目指したい」と述べている。