横浜市、教育データ活用基盤を市内496校で運用開始 内田洋行がシステム構築

2024年9月9日08:45|ニュースリリース公開日 2024年6月13日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 横浜市は学習支援システム「横浜St☆dy Navi(横浜スタディナビ)」を構築し、市立小・中・義務教育・特別支援学校496校で6月から運用を開始した。システム構築を支援した内田洋行が6月13日に発表した。児童生徒26万人、教職員2万人が活用する全国最大規模の教育ダッシュボードシステムだという。

 横浜市は教育データの分析・利活用による公教育全体の向上を目指しており、横浜スタディナビの整備はその中核を成す取り組み。学力・学習状況調査をはじめとしたさまざまなデータを活用する情報基盤と位置付ける。モデル校での試行検証を経て、市内全校に展開することになった。

 横浜スタディナビは、児童生徒、教職員・学校、教育委員会のそれぞれが利用する3種類のダッシュボードで構成される。児童生徒用ダッシュボードでは、学習面や生活面の履歴を確認し、自己変容に活用できる。

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児童生徒用ダッシュボードでは自分の学習面、生活面の振返りが可能

 教職員用ダッシュボードは、児童生徒の学習・生活面の状況を学校、クラス、個人単位で表示し、個別の指導や支援をしやすくする。教育委員会用分析システムでは、横浜市立学校全体の状況をデータで把握し、教育施策の立案や効果的な指導方法の検討に活用できるという。

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教職員用ダッシュボードでは授業アンケート、健康観察、出欠席などを一元的に表示、共有できる

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教育委員会用分析システム。横浜市全体の傾向を俯瞰して可視化、学校ごとの実績や経年変化を分析する

 各ダッシュボードでは、横浜市学力・学習状況調査や体力・運動能力調査、健康観察、授業アンケートなどのデータを表示・分析できる。今後、表示するデータは順次拡大していく予定。

 また、横浜市が作成した「はまっ子デジタル学習ドリル」を文部科学省CBTシステム「MEXCBT」上で活用できるようにした。内田洋行の学習eポータル「L-Gate」と連携し、学習結果レポートを表示できるため、児童生徒も自身でデータを活用した学びに取り組むことができるとしている。

 L-Gateについては、横浜スタディナビのデータ連携プラットフォームとしても活用している。日本1EdTech協会の国際技術標準や学習eポータル標準に準拠しており、さまざまなアプリケーションとのデータ連携が可能。横浜スタディナビも、多くのデジタルドリル、学習コンテンツ、校務支援システムとのデータ連携を目指す。横浜市は24年年4月に市立学校で家庭と学校の連絡システムの運用を開始し、保護者はスマートフォンで学校との連絡ができるようになり、欠席連絡やお便りなどが随時電子化される。今後はこれらのデータも横浜スタディナビに連携される予定だ。

 さらに、セキュリティにも配慮し、複数のクラウドサービスを利用する際のアカウントを統合するID管理や、不正アクセスにも対応できる強固な認証機能を備えたとしている。

 横浜市教育委員会は「児童生徒が自らの学びの状況を把握し、日々の学習に生かしていくことができるようにするため、また、教員がこれまでの経験や勘に加えて客観的なデータを活用することで、より深い子ども理解につなげられるようにしたい。引き続き、約500校規模の運用に耐え得る安定的なシステム保守や情報セキュリティの管理、さらには学校のニーズを踏まえた機能改善や新規機能構築に取り組んでいく」とコメントしている。

ニュースリリースURL
https://www.uchida.co.jp/company/news/press/240613.html