ヘラルボニーは、勤怠管理の効率化を目的に「バクラク勤怠」を採用した。8月21日、同サービスを提供するLayerXが発表した。コミュニケーションツール「Slack」と連携した打刻・承認フローを構築し、勤怠承認にかかる日数を80%削減するなど、業務を大幅に効率化した。労務リスクの低減とコンプライアンス体制の強化にもつなげている。
ヘラルボニーは「異彩を、 放て。」をミッションに掲げ、障害のある作家が描くアート作品のライセンス管理や自社ブランド運営などを手掛けるクリエイティブカンパニー。同社では従来、勤怠管理において打刻漏れや承認の遅れが頻発し、残業や有給休暇の管理も煩雑化していた。特に、勤怠の締め作業には10営業日を要しており、管理部門の大きな負担となっていた。
こうした課題を解決するため、新たな勤怠管理システムの導入を検討。選定にあたっては、多くの従業員が日常的に利用するSlack上で勤怠管理が完結する操作のシンプルさを重視した結果、バクラク勤怠の採用を決めた。
バクラク勤怠の導入により、従業員はSlackアプリからログイン不要で打刻できるようになったため、リアルタイムでの打刻率が向上した。打刻漏れが発生した場合も、対象者にSlack経由で自動的にリマインドが送られるため、管理者が個別に修正を依頼する手間がなくなった。
承認フローも大幅に改善された。従来は月末に集中していた勤怠の申請・承認作業が、Slack上でいつでも対応可能になり、平均3.1日で完了するようになった。結果として、勤怠の締め作業にかかる日数は従来の10営業日から2営業日へと80%短縮された。また、業務の中抜け時の打刻運用もシンプルになり、より適正な勤怠管理が実現できている。
残業時間のアラート表示や有給休暇取得義務の管理機能も活用している。従業員ごとの労働時間の超過や休暇の取得状況をリアルタイムで把握できるようになったことで、人事部門の負荷が軽減された。過重労働や有給取得義務違反といった労務リスクの早期発見と是正が可能になり、コンプライアンス体制の強化にもつながっている。
ヘラルボニーで人事責任者を務める永田氏は、「バクラク勤怠とSlackでのメッセージを連携させたことで『出勤しました』『退勤します』のメッセージが、従業員同士の『おはよう』『おつかれさま』といったコミュニケーションを生むようになっている。単なる事務作業ではなく、チームの温度が見えて、モメンタムを作れるスイッチの役割となっている」と話す。今後は、労務管理全体のさらなる可視化や、コンプライアンス強化に向けた業務効率化を進めていく。