ワールドプラスは、店舗開発業務の効率化と出店スピードの向上を目的に、ナウキャストが提供する店舗開発DXツール「DataLens店舗開発」を採用した。12月15日、ナウキャストが発表した。物件情報の収集や一次スクリーニングにかかる時間を大幅に短縮した。データに基づく迅速な意思決定により、出店機会の損失を防ぎ、店舗網の拡大を加速させる考えだ。
ワールドプラスは、24時間・年中無休のマシン特化型ジム「ワールドプラスジム」を全国で約160店舗運営しており、現在も店舗数を拡大させている。しかし、従来の店舗開発業務では、好物件の情報収集に多くの人員と時間を割く必要があった。日々届く大量の物件情報メールを確認しても、条件に合致する物件が見つかる確率は低く、効率の悪さが課題となっていた。こうした状況から出店判断が遅れ、機会損失につながるリスクを抱えていた。
そこで、好物件をいち早く発掘し、出店判断を迅速化するため、DataLens店舗開発の導入を決定した。採用にあたっては、メールやURLから物件情報を抽出できる独自の機能により、探索中の物件を効率的に発掘できる点を評価した。また、同社が重視する商圏人口分析などに素早く対応できる点や、サービスと価格のバランスが優れている点も決め手になっている。
DataLens店舗開発は、クレジットカード決済データや人流データなどのオルタナティブデータと生成AIを活用したツールだ。AI-OCRなどで多様なフォーマットの物件情報を自動でデータ化し、地図上で可視化できる。自社の既存店データや人流、決済データを掛け合わせることで、出店候補地の選定を精緻化できる。
導入により、店舗開発の業務フローは大幅に改善された。毎日届く物件情報を自動で取り込み、あらかじめ設定した基準でフィルタリングを実行することで、従来は半日ほど要していた一次スクリーニング作業が1時間以内で完了するようになった。また、条件を満たした物件については商圏レポートを即時に生成できるため、現地調査や契約検討への移行もスピーディーになった。
ワールドプラス営業本部店舗開発グループ物件開発部長の東畑幸男氏は、「DataLens店舗開発によって、物件の一次スクリーニングの時間が大幅に短縮され、物件検討にかかるコストを削減できた。出店判断のスピードと精度が格段に上がり、データで裏付けられた判断を機動的に実行できる強力な武器だと感じている」と話している。
今後は、DataLens店舗開発に同社の出店履歴や成功・不成功データ、会員数動向や売上といった出店後の実績データを蓄積し、意思決定や物件評価の精度をさらに高めていく方針だ。また、フランチャイズ展開や地域別戦略を加速させるため、加盟希望者への立地診断やエリア提案にも同ツールを活用し、提案力を強化したい考えだ。