長谷工シニアウェルデザインは、介護者向け買い物代行の業務効率化を目的に、クラウド経費精算サービス「Bill One経費」を導入した。8月21日、「Bill One経費」を提供するSansanが発表した。全42拠点で法人カード「Bill Oneビジネスカード」を活用し、現金での立替払いを廃止。これにより、月間450時間以上の業務削減と経費管理体制の強化を目指す。
長谷工シニアウェルデザインは、有料老人ホームの運営を手掛けており、介護が必要な入居者向けに買い物代行サービスを提供している。従来、このサービスの支払いは施設の担当者が現金で立て替えていたため、本社への事前申請や銀行での現金引き出しといった手間が発生していた。また、都度の帳票記入や、月末の領収書と帳票の突合作業、入居者ごとの請求書発行など、煩雑な業務が担当者の負担となっていた。
加えて、各施設で現金を取り扱うため、本社の経理部門が経費の使用状況をリアルタイムに把握できず、管理体制にも課題を抱えていた。これらの課題を解決し、施設における経費精算業務の効率化と本社での一元管理体制の強化を図るため、Bill One経費の導入を決定した。
今回の導入では、全42拠点にBill One経費を展開。Bill Oneビジネスカードの引き落とし口座を入居者にひも付けることで、買い物代行における立替払いそのものをなくす仕組みを構築した。これにより、クレジットカード決済が可能な物品やサービスの購入であれば、現金の事前申請や引き出し、記帳、領収書の突合、請求といった一連の業務が不要になる。同社では、月間450時間以上の業務時間削減を見込んでいる。
また、Bill Oneビジネスカードの決済情報はオンライン上の管理画面にリアルタイムで反映されるため、本社の経理部門は各施設における経費の使用状況を容易に確認できるようになる。これにより、経費の一元的な管理体制が強化されるとしている。
長谷工シニアウェルデザイン運営企画部未来の介護デザイン室の藤田氏は、「従来、現金管理や手入力での請求書発行は施設の担当者にとって大変な作業だった。Bill One経費の導入で業務が効率化され、各施設からは『入居者との時間を増やせた』といった効果を実感する声が上がっている。未来の介護デザイン室としても、DXによる入居者請求業務の本社集約化を前進させることができた。今後もDXを推進し、将来的な業界課題である人手不足にも対応していきたい」と述べている。