品川シーサイドフォレスト管理組合は、熱中症対策の強化を目的に、施設で稼働する自律移動型警備ロボット「SQ-2」にAIを活用した倒れている人検知機能を追加した。8月21日、SQ-2を提供するSEQSENSEが発表した。酷暑の中、広大な敷地での警備員の巡回負担を軽減しつつ、体調不良者を早期に発見することで、迅速な救急対応につなげ、施設の安全性を高める狙いだ。
品川シーサイドフォレストオーバルガーデンは敷地面積が約4万㎡に及ぶ広大な施設である。記録的な猛暑が続く中、日中の気温が40度、地上では50度に達することもあり、警備員が24時間体制で広場を巡回し、監視を続けることは困難な状況だった。人命に関わるリスクを鑑み、管理組合はSEQSENSEの警備ロボットに新たな機能を実装して対応することを決定した。
同施設では、不動産管理の再構築コンサルティングを手がけるタスクル・ジャパンの支援のもと、2025年4月からSQ-2の本運用を開始し、巡回や立哨といった警備業務を担わせていた。今回、夏季の酷暑対策として、AI画像解析プログラムを有効化し、新たに倒れている人検知機能の運用を8月15日から開始した。
この機能は、SQ-2が巡回中に倒れている人を発見すると、内蔵されたAIの自動認識機能が作動し、防災センターの警備拠点に設置された監視用PCにアラートを送信する仕組みだ。アラートを受けた警備員は、直ちに現場へ急行して必要な処置を行うことができる。
この仕組みにより、目視での確認が難しい場所や夜間などの時間帯でも、倒れている人を早期に発見し、迅速な救急対応につなげることが可能になる。同管理組合は、この取り組みを通じて、施設のテナント従業員や、買い物に訪れる幼児、高齢者など、来館者全体の安全安心対策が強化されることを見込んでいる。
SEQSENSEのSQ-2は、3D LiDARを搭載し、詳細な3次元マッピングや動体検知、環境変化の検出が可能な自律移動型ロボット。立哨や巡回、来館者対応といった警備業務を代替することで施設の管理コスト削減に寄与するほか、独自の検知機能の活用により警備レベルの向上を支援する。