新幹線メンテナンス東海は、東海旅客鉄道の大井車両基地において、自動運搬ソリューション「サウザーCOALA」16台と専用ドッキング台車300台を用いた物流自動化の運用を進めている。7月6日、開発を共同で担ったDoogが発表した。初年度の運用実績として年間4万キロの自動運搬を達成した。これにより、手押し台車による長距離運搬作業を大幅に削減し、現場の作業負荷低減と労働環境の改善につなげている。
新幹線メンテナンス東海は、JR東海グループで東海道新幹線の車両整備や駅業務などを担う総合サービス会社だ。同社が展開する新幹線車両基地では、車内から回収したゴミや整備に必要な備品を約400メートルの長いプラットフォームに沿って長距離運搬する必要があり、24時間稼働の維持とともにスタッフの手押し台車による身体的な作業負荷の大きさが課題となっていた。さらに、深刻な人手不足への対応や現場の労働環境改善が急務となる中で、同社はサウザーCOALAを導入した。
サウザーCOALAの選定・採用にあたっては、長距離かつ効率的な運搬を可能にする群制御による協調運転機能を評価した。大井車両基地に設けられた二つの検修庫にはそれぞれ8台のロボットと150台のドッキング台車が配置されており、8台のロボットが隊列を形成しながら走行する。システムがどの台車をどの箇所に運搬すべきかを自動で管理し、24時間体制での運用を実現している。同社は自動追従ロボットなどの開発を手がけるDoogと3年をかけてサウザーCOALAを共同開発し、全社基盤として採用した。Doogのベース車体に自動ドッキング機能を備えた専用設計の台車を組み合わせることで、新幹線車内から出るゴミや整備備品を載せた専用棚への自動ドッキングと運搬を可能にした。
実際の運用により、大井車両基地の第一検修庫で月間約1520キロ、第二検修庫で月間約1950キロを走行し、16台の年間累計走行距離は約4万1800キロに達した。これは地球約1周分に相当する距離であり、従来すべて人手で行われていた長距離運搬作業の自動化に成功した。これにより、現場のスタッフは重労働を伴う長距離の運搬作業から解放され、車両の整備業務をより効率的に実施できるようになり、管理業務などより専門性の高い業務に注力できる環境が整った。
大井車両基地での運用実績を踏まえ、同社はすでに三島車両所および名古屋車両所へのサウザーCOALAの導入展開を開始している。検修庫内での自動運搬の適用範囲をさらに拡大し、機械が対応できる業務の自動化を推進する。今後は各地の整備会社や関係各所との連携を強め、新幹線車両基地におけるさらなる省力化と、スタッフがいきいきと長く働ける職場環境の実現を目指す。