カウネット、生成AI基盤でVOC分析を自動化 全通話評価で品質向上とCX改善を加速

2026年7月7日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 カウネットは、年間32万件を超える顧客の声(VOC)の活用とコンタクトセンターの品質向上を目的に、フライルのAIベースの分析サービス「Flyle」を活用し、生成AIによる自動分類・可視化基盤を構築した。7月1日、フライルが発表した。手作業による分析の限界や属人化を解消し、月間約1万件に及ぶ全通話のAI自動解析も実現して、応対品質向上と全社的な顧客体験(CX)改善施策の実行を加速させている。

 コクヨグループのEコマース事業の中核を担うカウネットは、法人向けオフィス用品通販サービス「カウネット」や購買管理サービス「べんりねっと」を展開している。同社では、顧客の信頼を失う課題を「プロミスブレイク」と定義し、売上や利益と同等に重要な経営指標としてCX改善に取り組んできた。2024年12月に音声テキスト化ツールを導入して声を収集する基盤は整えたものの、年間32万件を超える膨大なVOC全量を手作業で分析することは現実的に困難だった。また、従来の応対品質モニタリングはオペレーター1人あたり月1〜2通話のサンプリングにとどまり、評価のバラつきや育成に課題を抱えていた。

 システム選定にあたっては、誰が見ても分かりやすく全社員が自主的にCX活動を行える優れたダッシュボード機能と拡張性、直感的なUIを評価した。また、同じBtoBのEコマース領域における分析の切り口を持つ、フライルのカスタマーサクセス担当者の丁寧な対応と専門的な知見も決め手となった。

 導入後は、網羅的かつ客観的な自動分類が可能となり、これまで埋もれていた細かい顧客ニーズの可視化に成功した。Webサイト上でクリアホルダーの角の丸さが判別できないという声を特定し、関係部門と連携して即座に改善。ダッシュボードによる視覚的なレポートは、他部門へ改善の優先順位を伝える際の納得感を高め、スムーズな連携をもたらしている。特定事象の調査に従来は1週間を要していたが、前日の状況を翌日には可視化できるスピード感が生まれ、当日中に経営陣へ報告できる体制が整った。

 さらに、新規顧客の急増により1日に電話200件、メールフォーム100件の問い合わせが集中して現場が急を要した際にも効果を発揮した。データを即座に分析してエラー発生画面をピンポイントで特定し、翌日にはFAQの修正とWeb動線の変更を実施。その結果、翌日の電話問い合わせを50件ほどへと4分の1に削減した。

 現在では、コンタクトセンターにおける月間約1万件のすべての通話をAIで自動解析・スコアリングする全件品質管理体制を運用している。言葉遣いや課題解決のスピード、感情変化に加え、共感表明や傾聴姿勢といった定性的なスキルも客観的に評価。新人の模擬応対への即時フィードバックにも活用している。

 同社CX戦略部間宮賢治氏は、AIが定型的な分析を担うことでスタッフが顧客の心に寄り添うコミュニケーションに専念し、人ならではの共感を最大化していくことが真の目的であると説明している。今後はVOCデータと財務データや行動データを紐づけ、より正確で迅速な対応による体験価値向上の継続を目指す。

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