Qantas Loyaltyは、会員向けサポートのリアルタイムな解決とデジタル体験の強化を目的に、ZendeskとAIエージェントを採用した。7月6日、Zendeskが情報を公開した。AIエージェントの導入により、手作業によるトリアージや度重なる担当者とのやり取りといった課題を解消した。導入から2週間で自動解決率60%を達成し、ピーク時には85%に到達するなど、サポート体制のスマート化を推進している。
カンタス航空のグループ企業であるQantas Loyaltyは、アジア太平洋地域で最大級の会員プログラムを運営している。約1700万人の会員が、拡大を続けるeコマースプラットフォーム「Qantas Marketplace」や「Qantas Wine」でポイントを獲得・利用して買い物を楽しんでいる。会員数の多さに比例して寄せられる問い合わせ件数も多く、コンタクトセンターでは毎月ボットやフォーム経由で約3000件の問い合わせに対応し、電話回線には月におよそ7000件の着信が発生していた。
人間の担当者が対応に関与する必要のない一般的なFAQ関連の質問が多く寄せられていたほか、会員情報が分散していたことで担当者への引き継ぎがスムーズにいかず、1回で問い合わせを解決できずに複数回やり取りが往復してしまう課題を抱えていた。このような不要な問い合わせの削減と、迅速かつスマートな引き継ぎによる解決の迅速化が急務となっていた。
システム選定にあたっては、主に三つの形で機能を組み合わせて活用できる点を評価した。効率的なチケット管理システム、3三つのプラットフォームすべてにチャットボットとして展開するAIエージェント、そしてWebサイト上の会員や社内・パートナー向けに構築したナレッジベースを一つのシステムとしてシームレスに連携できる利便性が、課題解決に向けた決め手となった。
導入効果として、立ち上げ当初に掲げていた30〜35%程度の自動解決率目標を上回る成果を上げている。運用の開始から最初の2週間で自動解決率は60%まで上昇し、ピーク時には85%に達した。特に一般的なナレッジ系の問い合わせに関しては、月によっては95%以上、あるいは90%台後半にまで達し、単にチケットをクローズするだけでなく問い合わせそのものの自動解決を実現している。また、対応したケースの検証と調整を重ねることで、AIエージェントの精度が継続的に高まる好循環も生まれている。
AIエージェントがすべての問い合わせをトリアージし、一般的な質問の大半を自動対応するようになったことで、人間の担当者はより丁寧な対応や複雑な連携が求められるケースに集中できるようになった。会員とサポートチームの双方にとって、より迅速な対応体制が構築されている。
同社でeコマースのシニア・オペレーションズ・エクセレンスを務めるLuca Giaccardi氏は、調整を重ねるほどAIエージェント自体が賢くなり、解決率が上がっていく点は極めて大きな成果だと説明している。今後はAIエージェントの改良を続け、ナレッジベースに磨きをかけることで、大規模な会員プログラムにふさわしいデジタル体験を提供し続ける体制を維持していく考えだ。