日新化工は、長年定着していたアナログな業務環境の変革に向け、住友電工情報システムが提供する電子承認・電子決裁システム「楽々WorkflowII Cloud」を採用した。7月15日、住友電工情報システムが発表した。年間に及ぶ数万件の紙中心の申請業務をデジタル化することで、全社で40%の用紙削減を実現した。今後はAI活用も視野に入れ、周辺業務の自動化と全社的なDX推進を加速する。
日新化工は1948年設立の業務用チョコレートメーカーで、全国の洋菓子やパン製造の事業者に製品を提供している。同社はプロパー社員が多く、熟練の技術やノウハウを多数保有していることが強みである一方、アナログな組織文化が根強く、社内業務の多くが紙の帳票で運用されていた。これにより技術やノウハウが属人化する懸念があった。また、千葉県の船橋や東金にある工場のほか、札幌や名古屋の営業所など拠点が点在しており、紙の帳票を回付するために社内便を運用せねばならず、生産性向上や情報共有の妨げとなっていた。こうした背景から、同社は2023年に新組織「DX推進室」を発足し、全社一体のDXプロジェクトを開始。その第一弾としてペーパーレス化に狙いを定め、ワークフローシステムの導入に着手した。
システムの選定にあたっては、回付ルートの自動選択や複雑な条件分岐、代理承認など、日本企業の細やかな運用や商習慣に寄り添う柔軟な機能を重視した。これに加え、申請業務のデジタル化にとどまらず周辺業務の自動化を目指していたため、WebhookやWebAPIによる高い連携性を評価し、楽々WorkflowII Cloudの採用を決めた。導入プロセスでは、本社および各拠点に導入リーダーと担当者を配置し、現場主導で構築を進めた。同時に、これまで社内で利用されていた600種類以上の紙の申請書をリストアップして統廃合を行うことで、業務のスリム化を図った。ITに馴染みの薄い工場の製造部員などもプロジェクトに参加し、約1年で全社展開を実現した。
導入の効果として、年間申請数の約7割にあたる約14000件がデジタル化され、申請書の種類は約100種類に集約された。これにより、年間130箱以上あった用紙の購入量が40%削減されたほか、帳票の持ち回りや遠隔拠点からの郵送の手間がほぼゼロになった。働き方もスマートになり、本社のオフィスではフリーアドレス制を導入できた。さらに、Webhookを活用して特注品製造依頼の承認データをMicrosoft 365のPower Automateへ連携し、Excelの管理表への自動転記とTeamsへの完了通知を実現した。WebAPIを用いて基幹システムからマスターデータを取得し、申請書フォームへ反映する入力効率化も進んでいる。
今後は、管理表に蓄積されたデータをCopilot StudioのAI機能で要約して二次利用する仕組みの整備を進めるなど、さらなる業務の高度化を目指す。また、生成AIによるヘルプデスク業務の自動化などさまざまなDX施策を展開し、全社的なDX推進を加速していく。